過去ログ - 澪「シンクロナイズドドリーミング」
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56:名無しNIPPER[sage saga]
2016/09/09(金) 17:30:08.73 ID:ROM1DOs8o
澪「あの、転生というやり方しかないんですか?」
女神様「それが正しい輪廻のあり方ですから。一度人としての死を迎えたこの子は、新たに一から命を育むべきなのです」
唯「えっ・・・」
彼女「・・・」
唯は聞いていなかったのだろう、驚いた表情をしている。
私だってたまたま彼女が口を滑らせてくれたから知っているに過ぎない。迂闊だった。あまり転生という言葉を前面に出すべきじゃなかった。
唯にはちょっと重い事実だったかもしれない。大丈夫だろうか・・・
彼女「そうやって胸を痛めてくれるだけで充分ですよ、唯さん。もう過去の事です。今の私にはこうやって居場所があるんですから」
女神様「ここにいる子達は、誰もが生前に恋愛も出来ずに若くして命を散らした子。そういう子が来世で素敵な恋愛が出来るよう、カミサマの下で働く事はよくある話なのですよ」
唯「そう、なんですか・・・」
唯は若干落ち込みつつも受け入れているようだが、早世したという事までは私も知らなかった。
以前、「人生は有限なんだから生き急がないと」と言われた事を思い出す。あの時の言葉は、私が思っていたより遥かに重かったんだ。
同時に、自分の経験からくる言葉を私に投げかけてくれる彼女はやっぱり誠実で、いい子だと改めて思う。
私も唯のように静かに受け入れよう。きっと彼女もそれを望んでいる。
女神様「もちろん、同性が好きな子、異性が好きな子、男女それぞれをカミサマが役割分担をして、ね。本人の望む所で働いて学んでもらっています」
澪「なるほど・・・」
推測するに、さっきの私の質問にある「ここで生きている経緯、原理」という問いに対する答えがこれなのだろう。
カミサマが、その権限において転生する前の彼女の魂を一旦預かり、ここでこうして形にしているのだ。
最初に『彼女』が言っていた「なるべく個性を持つべきではない」というのは、むしろ生前の自分を忘れようとしているのかもしれない。来たるべき転生の日に備えて。
澪「そういう仕組みが出来上がっているということは、やっぱり他に方法はない、と?」
女神様「・・・無い事はないです。カミサマの力でズルは出来ます」
唯「ほんと!?」
女神様「ですが、ズルはズル。人の世界ではバレたら怒られる事です。カミサマのズルはバレないし怒られない代わり、代償があるのでオススメはしません」
唯「代償・・・」
唯がこちらを見る。私は頷く。
代償なら、私達が払う。払えるはずだ。唯と確認したんだ、切れる手札はこちらの方が多いと。
はっきり言って、この展開は予測済みだ。どこまでの代償なら払えるかも打ち合わせ済みだ。
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