過去ログ - モバP「ロマンチスト・エゴイスト」
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8:名無しNIPPER[sage]
2016/09/09(金) 18:12:08.19 ID:hnFuSz2go
「だから海外の大学に行くことにした。パパと同じものを学べば、パパが少しはあたしのこと見てくれるかなって。結局そんな事なかったんだけど。ギフテッドだなんて言われてたし、実際あたしも化学には自信あったし、ここにならあたしの居場所あるかなーとも思ったんだけど、大学にはあたしレベルの人間なんてゴロゴロいたし、特別な何かにもなれなかった。学ぶことは嫌いじゃなかったけど、大学にいる理由も無くなっちゃったし、辞めて日本に帰ってきちゃったんだけどね。実家に帰るつもりはないし、なんとなく都会の学校で女子高生でもやってみようかなって今の高校に入ったけど、やっぱりここでもあたしは平凡な女子高生でしかなかった」
「その時、街中で番組の撮影をしてる所を見て、アイドルに興味を持った志希を俺がスカウトした、と」
「ちょっと違うかな。あたしはアイドルに興味を持ったんじゃなくて、プロデューサーに興味を持ったの。あの時のプロデューサー、とっても良い匂いがしたから」
そういえばそんな事を言っていたような気がする。
「あの時は自棄になってたから、君を観察するついでにアイドルでもなんでもやってみようかなって。そしたらびっくり、アイドルってこんなに楽しかったんだ。初めての歌番組の収録のお仕事でドキドキして、わけわかんないくらい楽しかったのは今でも覚えてるよ。その時かな、あたしここに居たいって強く思った。たとえここが……アイドルが私の本当の居場所じゃなかったとしても、あたしはここに居たいって。でもね」
暗く沈んだ声で志希が続ける。
「それまで好き放題してたこんなあたしの事、きっとプロデューサーは嫌ってるんだろうなって思うようになったんだ。それでも、舞台で失敗する事はなかったから、アイドルとしてなんとかやっているから、まだここに居させてくれるんだ、とも思うようになった。だから、同じ所で何度もミスをするようなあたしは辞めさせられちゃうんじゃないかって」
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