35: ◆R4LxbbyKhE[saga]
2016/09/10(土) 22:24:07.68 ID:jzgcTAa+0
急速に脳の覚醒は進み、いきなり70パーセントまで解放されると、そこから時間を刻むように71パーセント、
72パーセントと脳の領域が開かれていく。
裕子「ググッ!」
無論そんな急激な解放は裕子の肉体に多大な負荷をかけ、彼女の周りには小惑星に向かって放っているのと同じような
粒子が漂い始める。
裕子P「これは……いっ!?」
漂う粒子に触れたプロデューサーは、まるで電撃を浴びたかのような痛みに思わず腕を引っ込める。粒子の触れた指先は
バチバチと放電しており、どうやら迂闊に裕子に近づくことはできなくなってしまったようである。
裕子P「ならせめて……頑張れ、ユッコ!」
裕子「もちろん、ですよ……むむむむーん!!」
吹き飛びかけていた意識を応援されたことで再び取り戻した裕子は、歯を食いしばってさらに脳の力を強めていく。
裕子「アアアアッ!!」
80パーセントを超えると視覚から風景という情報と、距離という概念が取り払われ、自分が逸らすべき小惑星が目の前に
あるかのような視界へと変貌し、さらにあれだけ耳障りだった風の音や、日常音などありとあらゆる雑音が取り払われ、
ただ裕子の集中に必要なプロデューサーの声だけが響くようになる。
裕子P「ユッコ……!」
それでもまだ小惑星は地球に落下する軌道から外れず、痺れを切らした裕子はついに脳の力を90パーセントまで解放していく。
すでにこの時点で落下までの残り時間は20分を切っていたが、奇妙なことにそのことを裕子は体感として理解し、
時の流れというものがどういうものかすら、少女は認識出来るようになっていた。
裕子「これで、どうだーッ!」
きっと世の学者達が聞けば羨むような体験をしながら、しかしそんなことなど露ほども興味のない裕子は、ひたすらに
腕の先から力を、粒子を放出して小惑星にぶつけていく。
そしてついに、実際にそういう音が鳴ったわけでも、そういう明確な触感があったわけでもないが、小惑星がゴリッと
地球の落下軌道からズレ始めたのを裕子は感じ取る。
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