過去ログ - 星輝子「第3.5回 フレ志希のケミカルカオスキュートラジオ(仮)」
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◆mBiXSAH/fw
[sage saga]
2016/09/13(火) 23:53:08.24 ID:/wRsch+H0
屈強な兵士に組み伏せられたまま土の匂いをかぐ。
実に豊かな香りだ。良い大地で育まれた樹木には良い茸が育つ。
組み伏せている下等兵は二人。
簡単に振り払えるが、抵抗すれば奴隷である俺は体を痛めつけられる。
体は資本だ。身篭っている妻と息子を養うため、傷つけるわけにはいかない。
上官と思われる兵士はニヤニヤと笑みを浮かべながら俺を見下している。
俺の方が背が高いため、立場の優位を示すため部下を使って組み伏せているのだ。
蔑みながら上等兵が言う。
「兵士となり我らがキノコ王国のために命を捧げよ。
武勲を挙げれば、妻と息子の命と生活は保障しよう。
だがお前が死ぬか裏切ったとき、命の保障はしない。
奴隷であるお前が兵士となれるのは異例のことだ。喜べ」
冷戦状態にあったキノコ王国とタケノコ帝国は戦争状態になった。
国境付近の戦場では今も死体が生産され続けている。
高い身体能力に目を付けられ、俺は兵士へのスカウトを受けていた。
俺は状況を整理する。
・兵士となっても戦場で活躍できなければ家族の命の保障は無い
・奴隷のままで居ても、貧しい生活のため家族の命の保障は無い
・兵士となり戦場で活躍することが出来れば家族全員の生き残る可能性がある
俺は神に祈る気持ちで、一つしかない希望にすがった。
「わかった。兵士になる」
――カチッ。
脳裏で何か金属がかち合う音がしたが、何のことか分からなかった。
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