過去ログ - 勇者「かつて勇者の座を競った親友が鍛冶師になっていた」
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1:名無しNIPPER[saga]
2016/09/22(木) 18:12:13.73 ID:nnizistYo

魔王討伐の旅の最中、勇者はある問題に直面していた。


「これから先の戦いでは、もうこの剣は通用しないだろう……」


勇者はこれまで、王から授かった国宝の剣を得物としていた。

騎士の鎧すら軽々と切り裂く名剣であるが、鋼鉄以上の硬度を誇る中級魔族や上級魔族を相手にすると、
やはり心許なさが浮き彫りになる。


剣の性能を腕で補うことで、どうにか勝利してきたが、それも限界に近づきつつあった。


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2:名無しNIPPER[saga]
2016/09/22(木) 18:16:06.98 ID:nnizistYo

勇者はふと、数日前に立ち寄った町で耳にした話を思い出した。


「そういえば、この地方には……まだ若いのに天才といわれる鍛冶師がいると聞いたな」
以下略



3:名無しNIPPER[saga]
2016/09/22(木) 18:19:40.29 ID:nnizistYo

鍛冶師がいるという町にたどり着き、仲介役に手続きをしてもらうと、
やはり先約が大勢入っていることが分かった。

それをまともに待っていたのでは、新しい剣が手に入るのはおそらく半年以上先になる。
以下略



4:名無しNIPPER[saga]
2016/09/22(木) 18:23:17.57 ID:nnizistYo

工房は想像していたような古びた建物ではなく、
真新しい建築材で作られた、いかにも新進気鋭といった風情がただよう施設であった。


以下略



5:名無しNIPPER[saga]
2016/09/22(木) 18:26:18.44 ID:nnizistYo

七年前、二人はともに剣士であった。

力量は五分と五分。世間からは「双竜」「ツインソード」などと称されるほどであった。

以下略



6:名無しNIPPER[sage]
2016/09/22(木) 18:28:23.06 ID:Sb6rkypN0
期待


7:名無しNIPPER[saga]
2016/09/22(木) 18:29:38.35 ID:nnizistYo

王宮にて、宮廷魔術師がある予言を行った。


「まもなく魔王が復活し、世の中が混乱に陥るでしょう」
以下略



8:名無しNIPPER[saga]
2016/09/22(木) 18:32:53.97 ID:nnizistYo

国の代表である「勇者」になり、なおかつ「魔王」を倒せば、その名は永久に英雄として歴史に残る。

国じゅうの腕自慢が、「勇者」になろうとこの催しに名乗りを上げた。

以下略



9:名無しNIPPER[saga]
2016/09/22(木) 18:33:49.54 ID:5F1WuC7a0
親友の性格が悪かったら受けてくれなさそう


10:名無しNIPPER[sage]
2016/09/22(木) 18:34:02.90 ID:MZ78HFyl0
いい感じだな


11:名無しNIPPER[saga]
2016/09/22(木) 18:36:34.58 ID:nnizistYo

どちらが勝ってもおかしくない、どちらが「勇者」になってもおかしくない、激戦であった。
しかし、白黒ははっきりついた。

勝利したのはむろん、今の勇者である。
以下略



12:名無しNIPPER[saga]
2016/09/22(木) 18:40:00.05 ID:nnizistYo

だが、それからまもなく勇者の親友は失踪した。

「勇者」になれなかったことで良家の娘との縁談が破談となったり、
実家を無償で改装してもらえる話がチャラになった、などの話が明らかになったのはだいぶ後のことであった。
以下略



13:名無しNIPPER[saga]
2016/09/22(木) 18:42:03.02 ID:5F1WuC7a0
>>12
>「勇者」になれなかったことで良家の娘との縁談が破談となったり、
実家を無償で改装してもらえる話がチャラになった、などの話が明らかになったのはだいぶ後のことであった。


以下略



14:名無しNIPPER[saga]
2016/09/22(木) 18:43:50.76 ID:nnizistYo

ややバツが悪そうに、頭をかく鍛冶師。


「特別なお客ってのは、お前のことだったのか。ビックリしたぜ」
以下略



15:名無しNIPPER[sage]
2016/09/22(木) 18:44:31.78 ID:dfHON2AK0
改装とはともかく、場合によっては縁談チャラは一番心にこたえるからなぁ


16:名無しNIPPER[saga]
2016/09/22(木) 18:46:46.40 ID:nnizistYo

話すネタが尽きたところで、勇者が本題に入る。


「俺は今、陛下から賜った剣で戦っているんだが、それもだいぶ厳しくなってきた。
以下略



17:名無しNIPPER[saga]
2016/09/22(木) 18:49:39.38 ID:nnizistYo

二週間後、新しい剣が出来上がった。


「この剣なら、上級魔族どもにだって通用するはずだ」
以下略



18:名無しNIPPER[sage]
2016/09/22(木) 18:53:04.48 ID:zFyzAVONo
良い感じだ


19:名無しNIPPER[saga]
2016/09/22(木) 18:53:23.54 ID:nnizistYo

三日後、魔物との戦闘が発生する。

手強いが、今の勇者なら無傷で倒せる相手だ。
普通の戦士ならば、ここで新しい剣の試し斬りを行うだろう。
以下略



20:名無しNIPPER[saga]
2016/09/22(木) 18:56:30.80 ID:nnizistYo

勇者はあることを覚えていた。というより、勇者の頭にはある光景がこびりついていた。

「勇者」を決する戦いの直後に見せた、あの親友の顔――

以下略



21:名無しNIPPER[saga]
2016/09/22(木) 18:59:27.54 ID:5F1WuC7a0
剣に何かあるかと思っているのか?それは失敗フラグ……


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