111: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/10/06(木) 12:51:49.16 ID:bvvUhoiS0
ランプが半分になる。
ゲームスタートの合図とともに、もともとついていたランプを手で消していく。
隣のゆうがひいひい言っていた。
ランダムに複数個現れるランプに翻弄されて。
「早いよー……江梨香さんっ」
「経験の差よ」
単純な運動神経を測るゲーム。
ゆうが隣にいるだけで、楽しい。
凄く楽しい。
私の聖域なんて言って。
本当は一人は嫌だった。
ゆうの表情がどんどん明るくなっていくのが嬉しい。
カーン!
とゲーム終了の鐘が鳴る。
「あら、60代になったの? やったじゃない」
「つ、疲れたよぉ……」
膝に手をついて、ゆうは肩で息を整えていた。
「だらしないなあ。もうひとゲームいくよ」
「待って、待って! 休ませて!」
「だめー」
ゆうの言葉は無視して小銭を入れた。
それから、お金が無くなるまで、私たちはずっと遊び続けた。
何も考えずに。
遊ぶために生きてるみたいに。
二人だけで。
疲れ果てて、ゲーセンの端っこにあるベンチにぐたりと座った。
互いに体を預け合った。
親にバレたらって考えると肝が冷えた。
それをゆうに言うと、ゆうもおばあちゃん怒るだろうなあ、と呟いていた。
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