過去ログ - 藤原肇「Happy Endで始めよう」
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17: ◆kBqQfBrAQE[saga]
2016/09/23(金) 11:49:41.06 ID:xjUUEHux0

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いつ来るのだろうか。もうすぐ来るのだろうか。
以下略



18: ◆kBqQfBrAQE[saga]
2016/09/23(金) 11:50:48.03 ID:xjUUEHux0

隣にいる祖父はいつも通りクルクルとろくろを回し、見事なまでに手早く器を成形します。
相変わらず無心に作業をしているなあと眺めていましたが、表情はよく見ると、口元が緩んでいました。
自分自身の心中を見透かされたような気がして、気恥ずかしくなります。

以下略



19: ◆kBqQfBrAQE[saga]
2016/09/23(金) 11:52:09.76 ID:xjUUEHux0

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流石は備前焼の里ということもあり、陶器の販売店や、窯元の看板があちこちに見えた。
以下略



20: ◆kBqQfBrAQE[saga]
2016/09/23(金) 11:55:09.71 ID:xjUUEHux0

砂利が敷き詰められた敷地に足を踏み入れると、足の裏に独特の感触と共に音が立つ。
工房や陶器の直販店も兼ねているため、相変わらずの広さだ。

玄関の方に行こうとしていたら、その隣にある物置の傍に、藍染めの作務衣を着た人影が見えた。
以下略



21: ◆kBqQfBrAQE[saga]
2016/09/23(金) 11:56:19.39 ID:xjUUEHux0

あの子の祖父はふうと息をつくと、少しだけ表情を和らげて言った。

「肇は奥の工房にいるから、早く行きなさい」

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22: ◆kBqQfBrAQE[saga]
2016/09/23(金) 11:57:13.92 ID:xjUUEHux0

一番奥にある工房へ歩いていく。

右側に大きな縦長の窯と、高くそびえたつ煙突が見える。
今日は窯に火が入っていないようで、近くを通っても熱は感じない。
以下略



23: ◆kBqQfBrAQE[saga]
2016/09/23(金) 12:01:04.13 ID:xjUUEHux0

工房の中には、臙脂色の作務衣を着た若い女性が一人。こっちを見るやいなや、少し驚いたように目を見開いた。

先に口を開いたのは俺の方だった。

以下略



24: ◆kBqQfBrAQE[saga]
2016/09/23(金) 12:02:54.77 ID:xjUUEHux0

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私の部屋がある2階へと、駆けるように階段を上る。
以下略



25: ◆kBqQfBrAQE[saga]
2016/09/23(金) 12:04:18.95 ID:xjUUEHux0

「…すみません、お待たせしました」

駆け足で工房に戻ると、Pさんは焼く前に乾燥させている器をまじまじと見ています。
着替えて工房に戻る時に母とすれ違ったとき、恐らく事情を察したのでしょう、くすくすと笑っていました。
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26: ◆kBqQfBrAQE[saga]
2016/09/23(金) 12:06:34.90 ID:xjUUEHux0

「でも、懐かしいな…駅からここまで歩いてきたけど、色んな事思い出したよ」

「駅からだと結構遠くなかったですか?」

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27: ◆kBqQfBrAQE[saga]
2016/09/23(金) 12:08:38.56 ID:xjUUEHux0

「そうだ」

思い出したように、Pさんは足元のリュックのファスナーを開け、一つの小包を取り出しました。

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