過去ログ - 【ガルパン】逸見エリカ「友情は瞬間が咲かせる花であり、時間が実らせる果実である」
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12:名無しNIPPER
2016/09/24(土) 02:00:59.66 ID:+3HHJ9Wn0
「負けない、わよぉっ!」

先頭を譲ったことが、闘争心の塊である私の心に火を点けた。

力一杯に爪先で地面を蹴りぬき、跳ぶような勢いで西住みほの横に並ぶ。

明らかな限界から速度を上げたことで、足が更に重くなる。心臓が裂けそうになる。

西住みほもその顔をこちらへ向け、驚きを隠しはしなかった。だが、その表情はすぐに顔の奥へと消えていき、代わりにふっと息を吐き、微笑んだ。

その瞬間、私は顔が真っ赤になり、熱が増すのを感じた。

まだまだ余裕たっぷりって訳ね、見せてくれるじゃない。

怒り、羞恥、悔しさ、対抗心、そのどれにも似ていて決して同じではない感情で胸と頭が一杯になる。

限界寸前の自分に対し、汗を流しながらも涼しげな西住みほに対して、闘志の炎が吹き上がり、嵐が起こる。

「本気、よ……ここからが、本気よおっ!」

絞り出した言葉に、西住みほは再び笑みで答える。

見る見るうちに増していく頬の熱を冷ます為に。

私は地面を強く蹴り続け、風を頬で流し続けた。





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