過去ログ - 【ガルパン】逸見エリカ「友情は瞬間が咲かせる花であり、時間が実らせる果実である」
1- 20
24:名無しNIPPER
2016/09/24(土) 02:14:35.91 ID:+3HHJ9Wn0
「そうよ。信頼を感じることこそあるけど、隊長はアナタにとても厳しいわ。絶対に、贔屓なんかしない。アナタは純粋に能力で副隊長に選ばれたの。隊長にも、他の先輩も、私も持っていない、アナタだけが持っているものを評価されて、ね」
「私だけが持っているもの……お姉ちゃんにも、言われたけど……そんなの、本当に、あるのかな」

隊長と同じ目を持っていたことが少し嬉しいが、それは今どうでもいい。

今夜思い出して喜ぶことにする。

「あるのよ。自信を持ちなさい……と言っても難しいんでしょうね、アナタは。だから私が言ってあげる。みほ、アナタはとても優秀よ。隊長には全然似ていないけど、違うベクトルでとっても優秀。自分の事を信じられないなら、私の事を信じなさい」

この子は、自信というものが一切無い。

それをゼロから植え付けると言うのは無理がある。

誰かの口からはっきりと言ってあげるのがいいだろう。

私の言葉をそこまで真剣に受け取ってくれるかは、分からないけど。

「……はい! ありがとう、エリカさん!」

素直すぎる。

「……じゃあ、帰るわよ。外で待ってるから、支度して来なさい」
「うん!」

私自身が恥ずかしくなってしまったので、頬を冷やす時間が欲しい。

荷物を纏める彼女をそのままに、一足先に教室から出る。

「私の事を信じなさいとは、とっても強く出ましたね? エリカさん」

薄暗い廊下で、小梅が笑みを浮かべて立っていた。

「……聞いてたの?」

恥ずかしいことを言った自覚はある。

アレでは根拠のない自信を無駄に抱えただけのバカだ。

「そんなに嫌そうな顔をしないでください。みほさんの様子を不安に思ったのは私も一緒です。でも……エリカさんより良いことは言えないので、やめておきます」
「茶化さないで。アナタからも何か言っておきなさいよ」

自分の事から話題を反らしたい。

「真剣です。それとなく言ってはおきますけど……やっぱり、いいコンビですよ、みほさんとエリカさん」
「……茶化さないでよ」
「真剣ですよ」

何を言い返そうか悩んだ一瞬その瞬間に、教室の扉が開いた。

「お待たせ、エリカさん……あ、小梅さんも待っててくれたの?」
「ちょうどそこでそこでお会いしたんです。折角ですし、ご飯、行きましょうか」
「うん!」

……アンタも含めて、三人でいいトリオよ。

言い返す言葉が思い浮かんだタイミングが、少し遅かった。




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
70Res/85.77 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice