過去ログ - 【ガルパン】逸見エリカ「友情は瞬間が咲かせる花であり、時間が実らせる果実である」
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27:名無しNIPPER
2016/09/24(土) 02:20:07.19 ID:+3HHJ9Wn0
「…………みほ。戦車道をやめるって、本当なの?」
「うん」
「黒森峰から転校するって言うのも?」
「うん。大洗女子学園ってところに転校するの。関東だって。都会だよ」
「そう……そう、なのね」
「うん……」

ポスン、と。

背中からベッドに倒れ込む。

小さく、小さくしようと丸められたみほの背中ばかりが視界に入る。

「ようやく、みんなも落ち着いてきたわ。納得してきてる。もう誰も、アナタに文句も嫌味も言わないわ」

私がそう言うと、みほは今日初めて私の顔を見た。

立ち上がって体を反転させ、彼女はベッドの上に正座する。

「……ありがとう、エリカさん。お姉ちゃんに、聞いたよ。私達の為に、先輩達と喧嘩したって」
「…………気に食わない先輩だったのよ、元々。アナタを口実に突っかかっただけよ」

……隊長は口は堅い人だと思っていたが。

戦車に乗っておらず、かつ妹の前ではそうでもないのかしら。

私は右手の人差し指の絆創膏をさすりながら、耐えられず顔を逸らす。

「それでも。ありがとう、エリカさん」

正坐したまま、深々と頭を下げたみほ。

私は上半身を起こし、ええ、とだけ小さく答えた。

顔を軽く背けたまま、半ば横目で。

折り畳んだ上半身を起こしたばかりで、前髪を払うみほの顔を見る。

……少しだけ、笑っていた。

自虐的な物ではない、素の笑顔。

それを見て、僅かに肩が軽くなったような、そんな感覚が訪れる。



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