過去ログ - 【ガルパン】逸見エリカ「友情は瞬間が咲かせる花であり、時間が実らせる果実である」
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6:名無しNIPPER
2016/09/24(土) 01:54:27.99 ID:+3HHJ9Wn0
「……アナタ、趣味悪いわよ」
「部屋に入ったらエリカさんの寝顔がこちらを向いていたんです」

目を片方だけ細めて小梅を睨むが、当の彼女は肩をすくめ、あっけらかんと言ってのける。

ハァ、と聞こえるように吐いた、大きな溜息一つ。

「ふん……最低の夢よ」

視線を再び散らかった机の上に戻しながら、吐き捨てる。

自分では特に気にしてはいないが、私はどうやら鋭くキツい顔つきをしているらしい。

明らかに機嫌悪そうに言葉を投げつけると大抵の相手はそこで会話を諦めるが、付き合いがそれなりに長い小梅は特に気にする様子は無かった。

「みほさんの夢?」
「なあっ!?」

突かれた確信。 知られたくない事実。

小梅はいともたやすくそれを見抜いて、私がゴミ箱に押し込んだものを引っ張り出してしまう。

「やっぱり。エリカさんがそんな風に言う時は、大体みほさんの事だもの」
「……そうかしら?」
「シラを切ってもダメです。エリカさん、キツいように見えて、悪口なんかは滅多に言わないし」

言われたくない言葉ばかりを突き立てられて、自分の唇が自然と尖っていくのが分かる。

私の身体は、私よりも私らしい性格をしているようだ。

「そんなことないわよ。私は」
「人より少しストイックで、厳しい性格をしているだけです」
「ちょっと!」
「褒めてるんですよ、これでも。エリカさんほど真っ直ぐ戦車道に打ち込むなんて、そうそう出来る事ではありませんから」

普段、小梅はこうもずけずけと私に言葉を並べたりはしない。

その姿に戸惑い、応えあぐねていると小梅は顔を伏せた。

「……ごめんなさい、私も慣れないことをしました。緊張をほぐす事にかけて、それこそみほさんの右に出る物はいませんね」

かぶりを振り、困ったような表情で顔を上げた小梅。

確かにその言葉のとおりかもしれない。

あの子は狙ってやっていた訳ではないだろうが。

……アナタの素直な言葉にあてられた訳ではないけれど。

言い訳を口にするのなら、私はこう言っただろう。

口にしないけど。


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