過去ログ - ジュリア「夢みる歌姫と」千早「ギター少女」
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1:名無しNIPPER[saga]
2016/09/26(月) 00:08:51.86 ID:28zoD9Qao
ジュリアと千早のSSです。色々な人が出ます。

■目次
プロローグ:初恋と流星群
第一章  :ロコ、思うままに
第二章  :消えたギターと墓参り
第三章  :アイ・オブ・ザ・タイガー
第四章  :オールドホイッスル
エピローグ:アディオス

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2:名無しNIPPER[saga]
2016/09/26(月) 00:10:18.99 ID:28zoD9Qao
  プロローグ:初恋と流星群


千早「ジュリア、あなた緊張はしないの?」

以下略



3:名無しNIPPER[saga]
2016/09/26(月) 00:11:18.79 ID:28zoD9Qao
駆け出しのチハやあたしにとっちゃ200人入る会場は十分に広い。
それでも場末の雰囲気が拭い切れないライブハウスだった。
控室の壁紙はところどころ剥がれ、穴が空き、よく見れば猥雑な落書きも。

千早「観衆の多さでパフォーマンスを左右させたくないわね。それに……まだまだ足りない、もっと多くの人に聴いてもらいたい」
以下略



4:名無しNIPPER[saga]
2016/09/26(月) 00:12:16.74 ID:28zoD9Qao
チハは、この薄汚れた控室の一角の例外……清らかな雰囲気の漂うポスターを眺める。
フレームに飾られた、サイン入り……頭に二つのリボンを下げた少女の一瞬を切り取ったポスターだった。

ジュリア「天海春香の歌だろ?」

以下略



5:名無しNIPPER[saga]
2016/09/26(月) 00:13:30.34 ID:28zoD9Qao
……

舞台袖から観客席をこっそりと覗きこむ。会場は超満員。でも、

ジュリア「……そこそこ静かだな」
以下略



6:名無しNIPPER[saga]
2016/09/26(月) 00:14:12.99 ID:28zoD9Qao
考えこんでしまう。今までのステージを振り返る。ここよりもキャパは小さいものの、どのハコだっていっぱいに埋めてきた。
観客の熱狂ぶりだって、尋常じゃなかったはずだ。だから……

ジュリア「自信はある」

以下略



7:名無しNIPPER[saga]
2016/09/26(月) 00:15:03.60 ID:28zoD9Qao
……

スタッフの合図と開演のアナウンス。前座がいるということは事前に告知があったけど、このタイミングで改めて会場にその旨が流れる。

P「いけるか?」
以下略



8:名無しNIPPER[saga]
2016/09/26(月) 00:15:48.59 ID:28zoD9Qao
暗がりのステージを、ちょうど中央の位置まで歩む。
客席の方を向き、明転。ライトがあたしを照らす。

ジュリア「オープニングアクトを努めさせてもらうジュリアです、よろしく」

以下略



9:名無しNIPPER[saga]
2016/09/26(月) 00:16:35.11 ID:28zoD9Qao
ジュリア「一曲唄います。初恋、一章――片思いの桜」

ピックを鉄弦に向けて構える。

弦を弾く。そこから先はドミノ倒し。音を糸でたぐり寄せるように奏でていく。
以下略



10:名無しNIPPER[saga]
2016/09/26(月) 00:17:23.02 ID:28zoD9Qao
……

出番が終わり、プロデューサーに許可を取って関係者席でチハのステージを眺める。
見せる表情は真剣そのもの。いくら切っても刃こぼれしないような鋭利なナイフ……。

以下略



11:名無しNIPPER[saga]
2016/09/26(月) 00:17:59.82 ID:28zoD9Qao
チハが一瞬だけ関係者席に顔を向ける。あたしと目線があって、本当に僅かな微笑みを見せる。その意はわからないけど、思い浮かんだのは……

X. 私の歌、すごいでしょう?
Y. 私、こんな風にしか唄えないの
B. ……物足りないわ
以下略



12:名無しNIPPER[saga]
2016/09/26(月) 00:19:04.24 ID:28zoD9Qao
千早『だから、少し仕返ししようと思います。最後の曲は、ジュリアの持ち歌……【流星群】』

……やられた。

前座でチハに不意打ちをかけようという気は、正直に言えばなくはなかった。
以下略



13:名無しNIPPER[saga]
2016/09/26(月) 00:19:34.50 ID:28zoD9Qao
P「どうだ、千早の歌は?」

知らない間に関係者席にプロデューサーが来ていたようで、意地の悪い笑みを浮かべている。

ジュリア「あんただろ、仕込んだの。思いつきでオケがだせるわけない」
以下略



14:名無しNIPPER[saga]
2016/09/26(月) 00:20:06.17 ID:28zoD9Qao
曲は間奏のギターソロへ。自然に指が動いてしまう。

P「好きなんだな、音楽が」

ジュリア「ああ……でもアイドルが好きなのかはわからない」
以下略



15:名無しNIPPER[saga]
2016/09/26(月) 00:20:44.27 ID:28zoD9Qao
……

千早「ジュリア……とても素晴らしい演奏だったわ」

再び楽屋裏。チハと二人きりだった。ライブの興奮もいくらか落ち着き、反省会のような雰囲気になっていた。
以下略



16:名無しNIPPER[saga]
2016/09/26(月) 00:21:20.45 ID:28zoD9Qao
千早「また、こんな気持ちにさせてくれる人が現れるなんて」

ジュリア「こんな気持ちって?」

千早「心が軽くなるような、そんな気持ちよ」
以下略



17:名無しNIPPER[saga]
2016/09/26(月) 00:22:03.70 ID:28zoD9Qao
千早「書類の送付先を間違えたって聞いたけど」

ジュリア「ああ、そんなもんだよ」

千早「ふふっ、私もアイドル志望じゃなかったんだけど……ただ単に歌手になりたかったの」
以下略



18:名無しNIPPER[saga]
2016/09/26(月) 00:22:31.21 ID:28zoD9Qao
駄々をこねるチハってなんか聞くだけならかわいいけど、きっと全く融通のきかない頑なな感じなんだろうな。

千早「だから、春香とプロデューサーと……そしてあなた。私の気持ちを抱え上げてくれる人」

ジュリア「……あたしが、ねぇ」
以下略



19:名無しNIPPER[saga]
2016/09/26(月) 00:23:08.21 ID:28zoD9Qao
そのチハの顔はやっぱり穏やかで、優しい顔をしていた。きっとステージでもその顔を見せれば、違う魅力も見えるだろうに。

ジュリア「そうだな、それならいいのかも、ケンカにならないならさ。……ああ、ケンカした方がいいのか?」

千早「……なんで?」
以下略



20:名無しNIPPER[saga]
2016/09/26(月) 00:23:42.15 ID:28zoD9Qao
P「何があったのか知らないけど、次の仕事の話しない?」

仕事――その言葉を聞いた途端、チハは冷静な表情を取り戻し、プロデューサーに向き直る。

ジュリア「賛成だな。で、どんな仕事?あたしも出る幕あるか?」
以下略



21:名無しNIPPER[saga]
2016/09/26(月) 00:24:35.86 ID:28zoD9Qao
……

プロデューサーの運転は、特別荒くもなく静かすぎることもなかった。
そんな中、疲労がどっと来てうつらうつらとしてしまった。
途中でチハがマンションの前で降りたのだけ覚えている。一人暮らしだっていうのは初耳だった。
以下略



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