過去ログ - フレデリカ「最後のデートごっこ」
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5: ◆TDuorh6/aM[saga]
2016/09/28(水) 00:33:03.34 ID:/4HhEtAk0







「わぁーお、すごーい!水槽きれーだねー」


「分厚いなコレ。シャチが体当たりしても問題なさそうだ」


壁一面に埋め込まれたアクリルガラスの向こうには、水の世界が広がっていた。
人類では呼吸すらままならない空間に、色とりどりの魚が泳いでいる。
群れて、散って、また集まって。
まるでその集団が一つの生き物かの様に、大量の魚が水槽いっぱいを飛び交う。
まるで自由電子の様に動きの予想出来ないウチの一匹が、ガラス越しに目の前を通り過ぎていった。


「ねーねー、ガラスに美少女が写ってるよー」


「ほんとだ、見慣れすぎてて気付かなかった」


「バージェス生物群は何処かなー?」


「見た事ないから分からないけど、多分此処には居ないんじゃないかな」


このフリーダムガールのよく分からない知識は一体何処から湧いてくるのだろう。
次々と矢継早に継ぎ足されるトークに、それっぽい返しをするので精一杯。
フンフンフフーンと鼻歌交じりに上機嫌なフレデリカお嬢様の付き人をキチンと務めるべく、考える事を諦めた。
何も考えずインスピレーションで思い浮かべた単語を言っていれば何とかなる、筈。


「水族館なんて久し振りだな…」


「昔は住んでたのー?」


「以前来たのは高校の時って意味だよ」


残念ながら俺は両生類でもなければ水族館でのバイト経験もない。
と言うよりも何故そんな疑問に至ったのかが分からない。
まぁ、自由気ままに泳ぐ魚に憧れた事が無いこともないけれど。
どうせなら鳥になって空に行きたい。





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