過去ログ - フレデリカ「最後のデートごっこ」
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6: ◆TDuorh6/aM[saga]
2016/09/28(水) 00:34:34.11 ID:/4HhEtAk0
「この歳でも案外楽しめるもんなんだな、水族館って」
「アタシと一緒だからねー」
「否定はしないよ。確かにそのお陰でもある」
入り口で受け取ったパンフレットを捲りながら、オススメの順路をのんびり歩く。
今更ながらだけど、腕組みながら歩くのは割と難しい。
俺が慣れてないからだろうか。
恋愛経験豊富なアドバイザーがいたら聞いてみたいとろこだ。
そんな素振りを一片たりとも見せない隣のフレデリカは、そういった事に慣れているのだろうか。
もしも現在進行形で大学にそんな相手がいるのだとしたら、申し訳ないけれどその相手に社会の恐ろしさを知って貰わなければならない。
そんな架空上の生物に一人相撲を挑む情け無い面に気付かれない様に、テンションをフレデリ化して会話を弾ませる。
「生まれ変わったらホンソメワケベラになりたいなぁ」
「じゃーフレちゃんコンソメ木ベラがいいなー」
「じゃあ俺はカンヅメキメラだ」
意味が無いどころか分からない会話と言うのは、やってみると案外面白いものだ。
先日こんなノリでフレデリカと一時間潰した時は流石に焦ったけれど。
大体半分程まわったところで、一つ大切な事を思い出した。
フレデリカに伝えなければならない事がある、と言う事を。
どのタイミングで切り出すかはまだ決まってないけれど、流れで何とかなると思っていた。
案外ならなかったけれど。
…今は、思いっきり楽しもう。
夏休みの宿題は八月三十二日に終わらせればいい理論だ。
面倒な事は後回し、難し事を考えていては楽しい事も楽しめない。
「浸透圧ってなーに?」
「分からない訳じゃないけどクラゲの説明文読んでくればいいんじゃないか?俺の説明より分かりやすいと思うし」
分からない訳ではないが、楽しまなきゃ損だ。
難しい事は全部水族館の設備に負担して貰おう。
分からない訳ではない。
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