32: ◆JfOiQcbfj2[saga]
2016/09/28(水) 18:46:01.91 ID:UB/pX29A0
「すぅ、すぅ……」
「デジャヴってこういう感覚なんですねぇ」
再び寝息を立てている仁奈の背中をゆっくり撫でながらまゆは感嘆したように呟いた。
『ん、どうした?仁奈の声が聞こえなくなったんだが……』
「寝ちゃったみたいです」
『そうか……電池切れしちゃったか』
ふぅ、と携帯の奥でプロデューサーが息を吐く音が聞こえる。
まゆも仁奈を起こすといけないと思い、スピーカーモードを切ると携帯を耳に近づけた。
「プロデューサーさんは今どこにいるんですか?」
『ああ、今ビジネスホテルなんだよ。実は』
「ビジネスホテル?どうしてまた……」
『取引先で食事が出てな。大事な取引だったしお酒を断るわけにもいかず……』
「それで車で帰れずホテルに……?」
『まあよくあることだ』
領収書面倒なんだよなぁ、とぼやくプロデューサーにまゆも苦笑で返す。
『とにかく今日は本当にありがとうな。まゆは明日はオフか』
「はい、プロデューサーさんはお仕事ですか……?」
埋め合わせにオフの日に一日付き合ってもらうと約束はしたものの、流石に今日の明日というわけにはいかないということもまゆはわかっていた。
『ふはは、なんと休みなんだなこれが』
「ほ、ほんとですか!?」
思わず声を出してしまい慌てて口を手で押さえる。幸いにも仁奈の寝息が崩れることはなかった。
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