57:名無しNIPPER[saga]
2016/10/04(火) 20:50:52.38 ID:6BNWGd8K0
「ありがとう瀧君……それでさ、この子の名前、どうしよっか?」
「あー……どうしようか、本当に」
二人で困ったように笑う。
当然、考えなかった訳じゃない。
ただ、アレコレ考えすぎて逆に決まらなかったのだ。
それに、俺たちだけで命名するものかと思ったら、何故か三葉のお婆ちゃんや俺の親父まで名前に口を出して来て……
「ごめんね、瀧君。うちのお婆ちゃん、色々とうるさくて」
「いや、俺の親父こそさ。初孫だからってギャーギャー騒いで……ったく」
勿論、真剣だからこそなんだろうけども。
しかし、出産予定日である来週中には決めようってことで落ち着いた矢先に生まれてしまったのだ。
これからまた、うるさく口出ししてくる事は間違いない。
面倒だなぁ……と思っていると――天啓とも言えるひらめきが、俺の脳裏にちらついた。
「……三葉」
「うん?」
「今、思いついたんだけど……」
そう前置きして、俺はその名前を口にした。
病室に、俺の声が静かに響いた。
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