過去ログ - 瀧「君の、名前は――」
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9:名無しNIPPER[saga]
2016/10/04(火) 20:02:38.75 ID:6BNWGd8K0
悶々とした気分で寝たままだったせいか、私はその日、変な夢を見た。

夢の中の私はどこかの田舎町で、何故か男の子になっていた。

しかも鏡を見ると、結構な美男子だった。背も高いし。

……股間に変な感触はあったけど。


夢の中の私は人気者らしく、学校に付いたら、たくさんの人が寄ってきた。

たくさんの見知らぬ人に親しげに話しかけられたら、流石にワタワタと対応するしかなかった。

その夢の中の男の子の、友達らしき人物が熱でもあるのかと言って、手を額に当てた時は、思わずひゃん、などと言ってしまったし……

しかし、田舎の方が人柄は温かいというのは本当らしく、いつものその男の子らしくないという事で、みんながとても私を心配してくれた。

中々醒めない夢で、所属しているらしいサッカー部の練習にまで参加してしまった。

その練習中、転んで擦り傷をしてしまった子がいたので、保健室にまで連れていき、看護してあげた。

現実の私は保健委員をしているので、その責任感からだ。

消毒したあと、絆創膏を貼る……だけども、それだけだと味気ないので、ちょっとかわいくしようと絆創膏に猫のマークを描いて貼ってあげたら、その男の子はとても妙な顔で私を見ていた。

……そう言えば、今の私は男の子だったな、と思い出して、慌てて保健室から出て、顧問の先生に別れを告げてから家に帰った。

そしてベッド――ではなく、布団に潜り込んで寝た所で。

ようやく、現実の私は目を覚ました。

妙にリアルで、長い夢だったなぁ、と思いながら、顔を洗って着替えた後、台所に行く。

おはよう、とお父さんとお母さんに声を掛けると、二人とも私の顔をまじまじと見たあとに。

良かった。今日はいつも通りね。

とお母さんが言った。

…お母さん。何を言っているの?

と私が聞けば。

だって、昨日すごく変だったじゃない。やたらと元気一杯だし、仕草や口調もちょっとがさつで、まるで男の子みたいだったわよ。

と返ってきた。

…え?


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