8:名無しNIPPER[saga]
2016/10/04(火) 20:00:51.23 ID:6BNWGd8K0
お母さんの出身地、飛騨には、十数年前、隕石が落下している。
正確には1200年ぶりに地球に接近した、ティアマト彗星が分裂。その欠片が隕石となって、お母さんの住む糸守町に降り注いだそうだ。
何で私がこんな事を知っているかと言うと、何となく気になって調べたからだ。
ちなみになぜかその日、糸守は町を挙げての避難訓練を実施。村は壊滅したものの、奇跡的に死者は0人。
全国的にニュースになり、週刊誌では町の町長――お母さんのお父さんだから、私にとってのお爺ちゃん――について、預言者ではないかと囃し立てたり、その日偶然起こったらしい変電所での爆発を取り上げたが、十数年経った今ではもう、すっかりみんな覚えていなかった。
……おかしい。絶対に何かある。
私の勘がそう言っているが、私のような平凡な中学一年生に調べられるのは、せいぜいネットに転がっている昔の記事を読み漁るくらいしかない。
そして殆どの記事は憶測と推測ばかりで役に立たなかった。
お母さんに聞いても、私もそこら辺は覚えていないのよね〜その日色々と忙しかったから、と言われ。
お父さんに聞いても、その日の事は覚えてないなぁ〜……昔、何でか一人で糸守に行った事があるけど、景色がキレイな田舎町だったくらいしか覚えてない、とも言われた。
それで、詰み。
調べようにも、それ以上は調べようがなかった。
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