18: ◆U7CecbhO/.[saga]
2016/10/19(水) 18:38:42.92 ID:O4qi00qi0
「ヘレンさんは余計なことを考えなくていいのです。それはぼくの仕事です、個人レベルの話です。だから、ヘレンさんは堂々としていてください。些事はぼくに任せてください。わかりましたか?」
子供を叱るようにいうと、ヘレンさんは一瞬ぽかんとして、それからおかしそうに笑った。そうだ、この人はこれぐらい明るくいてくれた方がいい。世界レベルに小さな悩みは必要ない。
「ずいぶんと言ってくれるじゃない! さすがは私の認めたプロデューサーね! いいわ、そこまでいうなら、私はもうなにも言わないわよ」
「ええ、それでいいのです。ヘレンさんは世界レベルを貫いてください。ぼくはぼくの仕事をします」
「それがあなたのいう個人レベルね」
「ええ、ぼくたちらしいでしょ?」
ぼくとヘレンさんは、同じ方向を向き、同じ舞台で頑張っている。真逆なように見えても、実際真逆なことをしていても、目的は同じなのだ。
再確認して、ぼくは嬉しくなったから微笑んでみる。感情表現は必要だろう。余計な心配をかけないためにも。
「そうね。でも、その笑顔だけは世界レベルだわ」
ヘレンさんの微笑みも世界レベルに美しかった。
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