21: ◆U7CecbhO/.[saga]
2016/10/19(水) 18:44:49.34 ID:O4qi00qi0
小学生になに教えてやがる。心で突っ込む。嬉しそうに真似をする千枝ちゃんの手前、注意もし辛かった。
「次はセリフ。私といいこと……」
言い切る前に、俺は立ち上がり若葉さんの頭を押さえる。
「大人なら、言っていいこと悪いこと、わかるよね?」
「……ひゃい」
「よろしい」
むうとむくれる若葉さん。大体落ち着きはどこに言ったのだ。千枝ちゃんは残念そうにえーとこぼしていた。
「わかりましたぁ。千枝ちゃんと一緒に本物の大人らしさ見せつけてあげますぅ」
諦めの悪い若葉さんはそう言うと、千枝ちゃんの腕を引き給湯室に消えていく。まあ、注意したから大丈夫だろう。
しばらくして、ふたりはふっふっふと悪そうな笑みを浮かべながら帰ってきた。もうその時点で大人とは遠い気がしたけど、さずかに可哀想なので口にはしない。
若葉さんは右手を挙げる。
「一番、日下部若葉いきまーす」
「なんのコンテストだよ……」
千枝ちゃんがぱちぱちと拍手する。俺のぼやきは無視された。悲しい。
手の仕草で立ち上がるよう促されたので、大人しく立ち上がる。若葉さんは俺の正面にきて、見上げて言った。
「私、あなたのことが……」
「はあ……」
棒読みだった。演技レッスンを入れておこう。
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