過去ログ - モバP「日常の一コマ」
1- 20
9: ◆U7CecbhO/.[saga]
2016/10/19(水) 18:02:36.19 ID:O4qi00qi0
 梨沙は大仰にため息を吐いた。怒りを通り越して呆れたらしい。こうなってくるとどっちが大人かわからなくなってくる。

「なんでこうも極端なのよ。全部合わせてちょうどいいぐらいだわ」

「本当に面目ない。俺もまさかここまでのものができあがるとは思わなかったんだよ。もちろん、決定じゃないから安心してくれ」

「当たり前でしょ。これ以上ヘンタイとロリコンなんて増やしたくないわよ。パパにも見せるんだからもっとちゃんとしたもの用意してよね」

 ああと応える。梨沙はフンッとそっぽを向いて返事をした。なんだかんだ言いつつも、愛想を尽かされないのだから、梨沙は優しい。この撮影の衣装は、梨沙の喜ぶものにしなくては。

 そう決意したとき、輿水さんは衣装案を眺めながらぼそりと呟いた。

「でも体操着よりはマシかなぁ」

 悲しい呟きだった。ここ最近、輿水さんは各地でバンジージャンプを体験しまくっていた。衣装は動きやすさを重視した体操着。衣装と呼んでいいのか躊躇うものがあった。

「なんかごめん。俺から輿水さんのプロデューサーに言っておくから」

「アタシもごめん。贅沢な悩みよね……」

 ふたりで頭を下げると、輿水さんは焦ったように手を振った。

「い、いえ、イヤだというわけじゃなくて。……でも、ありがとうございます、ちょっとお灸を据えといてください」

 なんというかまあ、方法論の違いだけど、もう少し梨沙と話し合ってもいいのかもしれない。輿水さんのプロデューサーも色々考えてはいるのだろうけど。

 どうせなら笑ってもらいたいよなぁ。と俺は心のうちで呟いた。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
25Res/29.67 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice