過去ログ - 高垣楓「夢と現を、月見で一杯」
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15: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/10/21(金) 06:32:05.24 ID:KNNRsk+y0

 ――……しかし、それでも道の先にある広場には、未だ提灯の丸い明かりが灯ったままだ。
 その存在が、夢や現で無いと言うように。

「……怖いんですか、プロデューサー」

 腹の底から寒くなるような静寂の中で問いかけられて、プロデューサーが「怖いですよ」と、情けない顔で頷いた。

「怖いし、妙だし、怪しいし……何よりあんまりに突然すぎます。
 何だってこんな時間の、こんな場所に、屋台なんかが出てるんですか!」

「……田舎ならではの風習とか」

「そんな風習、俺は知りません!」

「でも、お客さんは入ってるみたいですよ?」

 そう言って、楓が再び屋台の方を指さして見せる。

 赤い提灯の下がった、どこにでもありそうな佇まいの屋台。
 その屋台を覆う戸板の向こう側には、確かに彼女の言う通り、数人分の人影が動いているのが確認できた。


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