28: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/10/23(日) 09:00:03.59 ID:uhMwzG8T0
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カウンターの向こう側。老木のような顔をした、見た目の割に恰幅の良い老人が、
やって来た二人を「いらっしゃい」と出迎えた。
周りを戸板とシートで囲まれた屋台の中は外と比べて暖かく、
中に入ったプロデューサーと楓の二人は、思わずほぅっと息をつく。
「好きんとこ、座ってェよ。椅子は一つっきゃあ無んけどねェ」
耳に絡むような、独特のイントネーションで喋る老人が、そう言ってカウンターの前に置かれた長椅子を指でさす。
すると、先客なのだろう。長椅子の上に敷かれた、くすんだ柿色の座布団に座っていた一人の少女が、
プロデューサー達の方をチラリと一瞥し、「どーも」と声をかけてきた。
脱色でもしているのか、壁に取り付けられた蛍光灯からの光を反射して銀色に輝くショートヘア。
一緒にいる楓にも負けない程に色白の肌に、キリッと釣り目がちな目は、
プロデューサーに狐や狼といった野生動物の鋭さを連想させた。
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