過去ログ - 高垣楓「夢と現を、月見で一杯」
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34: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/10/23(日) 09:10:20.95 ID:uhMwzG8T0

「お月見専門の屋台だよ。出てくるのはお団子とお酒と、後はそれから、お椀に入った綺麗なお水」

 少女の説明を受け、今度はプロデューサーが身を乗り出すようにしながら老人に聞いた。

「酒と団子、だけですか」

「今日はヨモギ餅と白玉。そんから、特製のニンジン酒なァ」

 そう言って老人が、カウンターの下から一枚のお皿を取り出した。

 学校給食で使われてそうな丸いアルミ皿は真ん中で丁度仕切られていて、
 一方には串に刺さったみずみずしい白玉が、もう一方には、こぶし大の大きさのヨモギ餅が二つ載っている。


「これに蜜をかけて食んと、んめえのよォ」

 そうして今度は、老人がカウンターの上に置かれていた甕の蓋をとり、その中身を小さな杓子ですくって見せた。

 トロリ杓子から垂れ落ちる蜜を、興味津々と言った様子で見つめる楓。

「黒蜜ですか」

 少女が、楓の言葉にフフッと笑った。

「た、だーし。虫歯一直線の甘さだけどねー」

 プロデューサーがチラリと横目で少女を見れば、なるほど、
 彼女の前にはたった今老人が取り出したのと同じ団子の乗った皿が、
 食べかけの状態でちょこんと置かれているのが見える。

「だけんど、これがんめえのよォ」

 老人が、今度は両目を糸のように細めて言った。


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