過去ログ - 島村卯月「私の道、私の舞台」
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2: ◆rha/UmkIZ2
2016/11/06(日) 13:06:42.42 ID:YWnjs67B0

『シンデレラガール』
ずっと憧れていたものに、私はたどりついた。
緊張している、というよりか実感がないと言った方が当てはまるだろうか。
でも、数万という人が私を「アイドル島村卯月」を見に来てくれている……それがたまらなく嬉しかった。
以下略



3: ◆rha/UmkIZ2
2016/11/06(日) 13:07:18.30 ID:YWnjs67B0
私は小さいころ、キラキラしたものに憧れていた。

それはアニメの中のヒロインだったり、ドラマの中の主人公だったり、舞台で踊るアイドルだったり。

そんな憧れを胸にアイドルの世界へと飛び込んだ、もちろん初めから上手くいくはずがなくデビューすらできないまま養成所でレッスンをする日々が続いた。
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4: ◆rha/UmkIZ2
2016/11/06(日) 13:08:50.73 ID:YWnjs67B0
ある夏の日、私はオーディションを受けることになった。そのオーディションは大手プロダクションであるCGプロが主催しており、所属アイドルのPVを撮るためのエキストラ募集……という名の新人アイドルオーディションだった。大きな役ではないにしろ、もし受かることができればアイドルになるための大きな一歩を踏み出せることになる。

私は、これまでにないほどレッスンに力を入れ、寝る間も惜しんでオーディションに向けて練習をし続けた。この頃からだろうか、『頑張る』という言葉が口癖のようになったのは。


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5: ◆rha/UmkIZ2
2016/11/06(日) 13:09:44.05 ID:YWnjs67B0
あれから2ヶ月がたった。
まだまだ残暑の続く季節、学校帰りに養成所に行くと、後輩……最近養成所に入った子が辞めると話していた。
私はその子を引きとめようとした、「もう少し頑張ってみよう」って。
でも、引きとめられなかった。その時自分にも一つ疑問が生まれてしまった。

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6: ◆rha/UmkIZ2
2016/11/06(日) 13:10:40.52 ID:YWnjs67B0
養成所へ行くと、見知らぬ男性がいた。

「島村卯月さんですね」

彼は私を見てそういった。
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7: ◆rha/UmkIZ2
2016/11/06(日) 13:11:36.58 ID:YWnjs67B0
私は素直にその時の気持ちを打ち明けていた。

「どうして私なんですか?」

「……というと?」
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8: ◆rha/UmkIZ2
2016/11/06(日) 13:12:37.16 ID:YWnjs67B0
「…………島村さん、今からあの時のオーディションでの評価をお話しします、本来はあまり言うべきことではないのですが、私の独断です。島村さんにとって辛いこともあるかもしれません、それでも聞いてもらいたい」

「…………」

「まず技能です、どの分野も平均以上で特出した分野はなし。大きな欠点もないが大きなアピールポイントもなし」
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9: ◆rha/UmkIZ2
2016/11/06(日) 13:13:15.50 ID:YWnjs67B0

「島村さんは歌う時も、踊る時も、オーディションとは関係のない待っている時ですら自然な『笑顔』がありました。私にとってアイドルとは人々を『笑顔』に出来る人のこと……自らが素敵な『笑顔』を見せられるこの子ならきっと素晴らしいアイドルになれる、私はそう思いました」

「笑顔……」

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10: ◆rha/UmkIZ2
2016/11/06(日) 13:14:09.18 ID:YWnjs67B0
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「しまむー!いるー?」

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11: ◆rha/UmkIZ2
2016/11/06(日) 13:15:05.15 ID:YWnjs67B0
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CGプロに加わってから1ヶ月、私の生活は急激に変わった。
これまでは養成所でレッスンを受けるのがメインだったのに、レッスンは空いた時間に、それ以外の時間は『アイドル』としての時間になった。
先輩アイドルの撮影の見学、裏方の勉強、あるいは小さな会場での前座。
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12: ◆rha/UmkIZ2
2016/11/06(日) 13:15:57.46 ID:YWnjs67B0
ライブが終わってからも、高翌揚感が収まらなかった。
自分のライブではない、お客さんが見ていたのは島村卯月ではなく城ヶ崎美嘉、それはわかっていた。


それでも、楽しかった。
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