過去ログ - 【デレミリ】アイマス昔話『もももも太郎』
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1:名無しNIPPER[saga]
2016/11/06(日) 21:03:18.69 ID:YXRK2uFn0
むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんがおりました。


莉緒「これこれおばあさんや、朝ご飯はまだかいのう」

あずき「待って待って。本当にむかしの話だから、おじいさんやおばあさんって言ってもそこまで年とってないんじゃないかって思うよ」

莉緒「あらそう? とにかく、私はしばかりに行くわけだけど……芝なんて刈ってどうするのかしら」

あずき「違うよ違うよ。この場合の『しば』は、森林に落ちている材木とかなんかを指す柴のことを言うんだって」

莉緒「へえ〜。むかし話って奥が深いのねぇ」

あずき「そんなことより、お話を進めないと!」


というわけでおじいさんは山へ柴刈りに、おばあさんは川へ洗濯に出かけました。


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2:名無しNIPPER[saga]
2016/11/06(日) 21:04:24.43 ID:YXRK2uFn0
さて、おばあさんが川で洗濯をしていると川上から大きな桃が、どんぶらこっこ、どんぶらこっこと流れてくるではありませんか。


あずき「あらまあ、なんて大きな桃でしょう。持って帰ったら、きっとおじいさんも喜ぶわ」

以下略



3:名無しNIPPER[saga]
2016/11/06(日) 21:05:58.00 ID:YXRK2uFn0
さて、おじいさんが家へ帰った頃には日もとっぷりと暮れて、夕ご飯の時間になりました。

夫婦でなかよく食べ終わりますと、おじいさんは、おばあさんの持ってきた桃を指さして言いました。


以下略



4:名無しNIPPER[saga]
2016/11/06(日) 21:08:42.25 ID:YXRK2uFn0
時間が過ぎ、夜になって、床に就こうという時間でありました。

おじいさんが、隣のおばあさんにおやすみと声をかけて寝入ろうとすると、おもむろにおばあさんが身を動かしました。


以下略



5:名無しNIPPER[saga]
2016/11/06(日) 21:09:52.03 ID:YXRK2uFn0
こうして、愛をはぐくんだ二人は一年のうちに玉のような子供を二人もさずかりました。


莉緒「ずいぶんはりきったのね」

以下略



6:名無しNIPPER[saga]
2016/11/06(日) 21:12:27.87 ID:YXRK2uFn0
のどかな村に産まれ、両親に愛されて育った桃華と桃子。村の子供たちとも仲が良く、みんなで楽しく暮らしておりましたが、彼女たちにはどうにも気がかりなことがありました。


桃華「……あの。最近、星梨花さんを見ないのですけれど、どこかへ遊びに行ってますの?」

以下略



7:名無しNIPPER[saga]
2016/11/06(日) 21:14:25.45 ID:YXRK2uFn0
はじめは大人たちの言うように、奉公や用事のために自分たちの遊び相手がいなくなったのだと納得できました。

しかし、ある出来事をさかいに、二人は子供がいなくなることへの疑いを強くすることになります。

それは、風の強いある夜のことでした。
以下略



8:名無しNIPPER[saga]
2016/11/06(日) 21:18:51.81 ID:YXRK2uFn0
『あーん! おねーさん、仁奈をどこへ連れていくつもりですかー!』

『よしよし、いい子ですから静かにしましょうね〜』

『やでごぜーます! パパー、ママー、助けてくだせー!』
以下略



9:名無しNIPPER[saga]
2016/11/06(日) 21:21:31.88 ID:YXRK2uFn0
それから数日後。桃華と桃子は、あの夜に聞いた声について話し合いました。


桃子「……あの後、仁奈ちゃんと会った子は桃子たちも含めて誰もいない……よね」

以下略



10:名無しNIPPER[saga]
2016/11/06(日) 21:22:53.41 ID:YXRK2uFn0
あくる日、二人はおじいさんとおばあさんに例の叫び声のことを訊ねました。

おじいさんとおばあさんは何やら話しづらそうにしていましたが、二人の真剣な表情に押され、ついにある言葉を口にするのでした。


以下略



11:名無しNIPPER[saga]
2016/11/06(日) 21:24:45.92 ID:YXRK2uFn0
莉緒「でもどうするの? まだまだ子供なあなたたちが鬼に逆らっても、きっと何もできないわ」

桃華「できるかどうかではありませんの。鬼にさらわれた友達が泣いていたのに、桃華たちが何もせずにいるだなんて耐えられませんわ!」

桃子「だからお父さん、お母さん、お願いだから桃子たちを鬼退治に行かせてください!」
以下略



12:名無しNIPPER[saga]
2016/11/06(日) 21:29:23.13 ID:YXRK2uFn0
莉緒「……行かせてあげましょう、おばあさん。それが、この子たちにとっても悔いの残らない道だと思うわ」

あずき「そんな! 鬼が島になんて行かなくても……あずきたちが、もっともっと色んなことを教えてあげなきゃいけない年頃なのに!」


以下略



13:名無しNIPPER[saga]
2016/11/06(日) 21:31:27.03 ID:YXRK2uFn0
かくして、桃華と桃子は『桃太郎』を名乗り、鬼退治の旅へ出かけることになったのです。


莉緒「女の子なのを気にしちゃ駄目よ。こういうときは強そうな名で名乗りを上げるのが肝心なんだからね」

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14:名無しNIPPER[saga]
2016/11/06(日) 21:34:11.22 ID:YXRK2uFn0
二人が鬼退治を決意し、もろもろの準備などで幾日かが過ぎたあと。

旅立ちの日がやってきました。


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15:名無しNIPPER[saga]
2016/11/06(日) 21:36:03.29 ID:YXRK2uFn0
桃華「それでは、お父様、お母様。わたくしたち、そろそろ前へ進まなければいけないと思いますの」

桃子「お父さん、お母さん、改めて……」

桃華「行ってまいります!」
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16:名無しNIPPER[saga]
2016/11/06(日) 21:40:29.80 ID:YXRK2uFn0
鬼が島へ行くため、桃太郎たちは海岸への道をまっすぐに歩いていきます。

なんやかやと話し合いながら道を行く二人の前に、声をかけてくる者がおりました。


以下略



17:名無しNIPPER[saga]
2016/11/06(日) 21:43:23.23 ID:YXRK2uFn0
さて、声をかけられた桃太郎たちは、腰元のきんちゃく袋からきび団子を取り出して犬たちへ近づいていきました。


美玲「ウ、ウチはいらないからな! 人間の施しなんて……」

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18:名無しNIPPER[saga]
2016/11/06(日) 21:45:29.92 ID:YXRK2uFn0
環「むぐむぐ。このお団子、おっきくておいしいね」

美玲「ていうか、デカすぎないか……。誰がこんなモン作ったんだ?」


以下略



19:名無しNIPPER[saga]
2016/11/06(日) 21:48:13.51 ID:YXRK2uFn0
一触即発、喧嘩を始めかけた犬たちをなだめて、桃太郎は猿の質問に答えました。


巴「……ふむ、鬼が島か」

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20:名無しNIPPER[saga]
2016/11/06(日) 21:50:59.41 ID:YXRK2uFn0
二人と四匹で、海岸への道を往く桃太郎一行。景色もひらけて、海も間近に見えてきたところ、頭の上から突然声が降ってきました。


晴「よお! 変わった形の蹴鞠持ってるけど、どこで手に入れたのさ」

以下略



21:名無しNIPPER[saga]
2016/11/06(日) 21:53:00.65 ID:YXRK2uFn0
かくして、犬、猿、雉を引き連れて二人の桃太郎は鬼が島へ向かいます。

手に持つ地図と目の前の景色とを何度も何度も見合わせながら歩き続けて、ついに、鬼が島を遠目に見やる海岸までたどりつきました。

遠い水面の先に浮かぶ鬼が島を目にして、一行はみな鬼退治への決意を新たにします。しかし、ここにきてある問題が浮かびあがってくるのでした。
以下略



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