過去ログ - 男「誘拐から始まるモバP生活」
1- 20
27: ◆t6XRmXGL7/QM[sage saga]
2016/11/16(水) 03:51:44.34 ID:HlCOPyga0
ガキがこの車の先方40mほどから走ってくる。
奴さんがすれ違う前に俺は車を降り、後部座席のドアを開いて待った。
何の気もないただの通りすがりのオーラを纏い、運転席側のドアにもたれかかって、
もはや何も映さないスマホをいじり、俺は通行人Aに徹した。

以下略



28: ◆t6XRmXGL7/QM[sage saga]
2016/11/16(水) 03:54:44.21 ID:HlCOPyga0
2秒もかからず後部座席に放り込み、その瞬間ガキのズボンの右ポケットからスマートホォンを抜き取った。
後部座席のドアを閉め、俺も運転席へ乗り込む。

スマホケースは黒地に金の昇り竜。その周りに、将棋の駒か?
これくらいの歳の女が持つにしてはあまりにあんまりなデザインだ。間違いなく不良系のそれだ。
以下略



29:名無しNIPPER[sage]
2016/11/16(水) 03:58:16.11 ID:HlCOPyga0
>>28
あーミスった
s/スマートホォン/スマートフォン
で、よろしくお願いします


30: ◆t6XRmXGL7/QM[sage saga]
2016/11/16(水) 03:59:41.15 ID:HlCOPyga0
「はぁ……はぁ……」

このガキは相当全力で走っていたのだろう。息を整えるのに数分はかかった。
赤い髪に榛色の瞳。そして気の強そうなつり目。
気を張っている時はきっと女番長みたいな迫力があるのだろう。そう思える説得力があった。
以下略



31: ◆t6XRmXGL7/QM[sage saga]
2016/11/16(水) 04:02:11.81 ID:HlCOPyga0
少女「助かった。御仁よ、見たことのない顔じゃが、名はなんと言うんじゃ。所属は」

男「……」

会話を交わすつもりは一切ない。
以下略



32: ◆t6XRmXGL7/QM[sage saga]
2016/11/16(水) 04:02:37.74 ID:HlCOPyga0
男「……」

巴「……実に無口じゃのう」

口調やイントネーションも少し気になるところだ。この辺りの出身ではないだろう。
以下略



33: ◆t6XRmXGL7/QM[sage saga]
2016/11/16(水) 04:04:06.13 ID:HlCOPyga0
巴「随分と豪華なところじゃ。のう?」
トモエと名乗った女の皮肉はやけに耳につく。
午を回ったあたりで河川敷についた。
運良く、ここに来るまでには誰にも見つからなかった。人がほとんどいない。
河川敷の隅の方にあった、もう使われてはないだろう、なにかの用具や廃材などが置かれた倉庫に入った。
以下略



34: ◆t6XRmXGL7/QM[sage saga]
2016/11/16(水) 04:05:31.85 ID:HlCOPyga0
ガキのスマートフォンの電源を戻す。白地に黒抜きのロゴが4秒ほど映り、やがて4桁のキーを要求された。

男「誕生日はいつだ」

そう聞くと、怪訝そうな顔をしてトモエは答える。
以下略



35: ◆t6XRmXGL7/QM[sage saga]
2016/11/16(水) 04:06:33.08 ID:HlCOPyga0
0103……通らない。

巴「どうやらうちの組のモンでもないらしいのう?はっはっは!!幸運な偶然もあるもんじゃて!」

男「……」
以下略



36: ◆t6XRmXGL7/QM[sage saga]
2016/11/16(水) 04:08:15.80 ID:HlCOPyga0
……そして俺の血の気がサッと引いた。本日2度目の恐怖体験。

……なんでもっと早く気づかなかったんだ。

男「……ヤクザの娘か」
以下略



37: ◆t6XRmXGL7/QM[sage saga]
2016/11/16(水) 04:10:02.25 ID:HlCOPyga0
逃げ出そうと体を翻した瞬間、ズボンのベルトを掴まれる。
くっそ、やはりあの腕は飾りじゃない。
こいつにも力がある。加えてさっきのガキとは比べ物にならない。
バランスを崩して俺はその場でみっともなく尻餅をつく。

以下略



364Res/131.43 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice