7:名無しNIPPER[sage saga]
2016/11/09(水) 22:48:47.65 ID:qaZhL8KK0
これらから察するにガキか。
しかし生意気にもブランドもののバッグを持っており身なりがいい。
背筋もピンと伸びている。背筋の延長線よりも背中側に耳が来ている。
この姿勢は毎日気を遣ってなければ維持できないものだ。
きっとどこかのかなりいいとこのお嬢だろう。
8:名無しNIPPER[sage saga]
2016/11/09(水) 22:49:33.94 ID:qaZhL8KK0
俺は車を降りて鍵をかけ、このガキを5mほど後ろからつけることにした。
20mほど歩いた。こんなに近くを歩いても後ろを振り返って警戒するそぶりすら見せない。
工事の音で俺の足音が聞こえてないのだろうが、まあまあなんとも無防備なお嬢ちゃんだ。
9:名無しNIPPER[sage saga]
2016/11/09(水) 22:50:06.78 ID:qaZhL8KK0
あまり離れても車に連れ込めなくなるから、工事現場のブロックを離れる寸前で行動に移した。
俺は駆け出し、ガキの肩を手前に強く引っ張り、よろめいた一瞬を突き、間髪容れず左手で膝を掬い上げた。
そして驚いた。
なんだよこいつ、バカみたいに軽いな。
10:名無しNIPPER[sage saga]
2016/11/09(水) 22:50:36.26 ID:qaZhL8KK0
そして車へと走り出して2秒ほど、背後で爆発音とも金属音ともつかない激音が炸裂し、俺の耳をまともに劈いた。
目を見開いてつんのめり、転びそうになったのをどうにか堪えて振り返ると、今まで俺たちがいた場所に赤く太い鉄骨が4本落ちて来ていた。
鉄骨に穿たれた歩道のコンクリートは煎餅みたいに割れて所々に破片が飛び散っていた。
垂直に落ちた鉄骨は落ちて来た時の勢いを殺し切らずに、少し跳ねるようにして倒れ、転がった。
11:名無しNIPPER[sage saga]
2016/11/09(水) 22:51:02.79 ID:qaZhL8KK0
数秒かけて現状を分析して、さらに遅れること数秒経ってぞっとした。縮み上がった。
男「は……は……はっ……はぁ……」
少女「…………」
12:名無しNIPPER[sage saga]
2016/11/09(水) 22:51:48.39 ID:qaZhL8KK0
「だ、大丈夫かぁ!!!!怪我人はァ!!!!」
工事現場の中から叫び声が聞こえる。数刻立ったのち、これに次いで野次馬の十数人が現場と俺らを中距離のあたりで取り囲む。
そしてすぐ隣のブロックのビルから追加の野次馬が出て来た。携帯に耳を当ててる奴が2、3人見えた。
こいつらの声が聞こえるほどの距離だ。
13:名無しNIPPER[sage saga]
2016/11/09(水) 22:52:29.48 ID:qaZhL8KK0
こいつら野次馬はこのガキの知り合いではなさそうだ。
となるとそれなりに名の知れた有名人ということになる。
……とんでもねえものを掴むところだった。
事故に遭って助かったと言うべきか。
14:名無しNIPPER[sage saga]
2016/11/09(水) 22:53:29.90 ID:qaZhL8KK0
「警察と消防は?」
「ビル出た段階でもう呼んだよ、すぐにくると思う」
待て、警察だと?
15:名無しNIPPER[sage saga]
2016/11/09(水) 22:56:10.58 ID:qaZhL8KK0
車のそばでガキを下ろし、リモコンキーで車を開ける。乗り込む、エンジンをかける。シートベルトを着ける。
ドアを閉め……られない。ガキがドアを掴んでる!
男「おい何をする!!離せ!!お前に用はないんだ!!!」
16:名無しNIPPER[sage saga]
2016/11/09(水) 22:56:42.06 ID:qaZhL8KK0
ありす「……市原27 は 4 51」
17:名無しNIPPER[sage saga]
2016/11/09(水) 22:57:18.36 ID:qaZhL8KK0
俺はそのまま、野次馬どもから離れるように車を飛ばした。
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