過去ログ - 山城「その声……もしかして、時雨なの……?」
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30:名無しNIPPER[saga]
2016/11/14(月) 22:19:00.33 ID:5CF37Sx6o
佐世保の時雨と言われながらちやほやされてたけど、結局それは今の僕でなくて昔の僕だ。僕は本心を表さず、皆を心から信用せず、嫌われないようにとだけ生きていた臆病者なんだ。


提督に直訴したのだって結局一度だけだった。提督は艦娘の意思を尊重してくれる人だ。僕がもっと真剣に頼めば、多少無理をして演習に加えてくれるなりしただろう。それをしなかったのは、僕の本心が、あのレイテの時のように仲間を守れず、目の前で沈むのをただただ見つめることになるかもしれないということを考えるただの臆病者なんだよ……。


人間って、きっと誰でも心に獣がいるんだよ。僕の場合、人一倍のこの臆病な心が僕の中の獣だった、犬だったんだ。誰にでも均等に尻尾を振ってご機嫌取りをして、嫌われないようにする。そうして僕は僕(自分)を見失ってしまったんだよ……。


折角得た二度目の生……これが長いものになるか短いものになるかわからない。けど、僕は生きていることの大切さ、儚さを知りながらただ臆病でいるしかなかった。


佐世保の時雨なんて言われながら、出撃して、ろくに活躍できずに、たいしたことなかったら、がっかりされたらとか考えている卑怯なやつなんだ。僕のような通り名が無くても頑張っている吹雪がまぶしくて、仕方がなかったんだ。


犬になって、僕はようやくそれに気が付いたんだ。


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