2:けいおんSS[sage saga]
2016/11/10(木) 22:23:12.02 ID:E325IWUR0
また適当なこと言って。
わたしが呆れたように言うと、唯先輩は不満そうに唇を尖らせて、わかるよぉあずにゃんのことなら、と同じ言葉を繰り返す。
ま、とにかくはいってはいって〜。
表情をくるりと変えた唯先輩は、うれしそうに手招きをしながらわたしの買い物袋をうけとり、跳ねるようにして階段を登っていった。
おじゃまします、とちいさく呟き、靴を脱いであとへ続く。
3:けいおんSS[sage saga]
2016/11/10(木) 22:23:57.73 ID:E325IWUR0
唯「言うの忘れてた」
梓「?」
振り向いた唯先輩の頬が赤い。
4:けいおんSS[sage saga]
2016/11/10(木) 22:24:26.15 ID:E325IWUR0
今日ははじめての、おとまり。
唯先輩の家には、ご両親も、憂もいません。先輩たちも泊まりにはきません。
そう、ふたりっきりの…おとまりです……。
5:けいおんSS[sage saga]
2016/11/10(木) 22:25:13.18 ID:E325IWUR0
唯先輩の家に来るのはもちろんこれがはじめてじゃない。
友達の家、かつ部活の先輩の家、ということもあって、今までだってなんどもこの家にやってきたことはある。
でも大抵は部活の先輩たちといっしょだったり、憂がいたりするから、ここで唯先輩とふたりきりになるのは、これがはじめての経験だ。
しかもこれから明日の朝までずっと一緒。正真正銘これがはじめて…はじめての経験…
6:けいおんSS[sage saga]
2016/11/10(木) 22:26:32.53 ID:E325IWUR0
唯「あずにゃん、どうしたの? すごいよ汗、暖房きつかった?」
梓「はっ! …いえ! そーゆーことではっ」ブンブン
唯「それならよかったー、暑かったら勝手に温度調整していいからね。とりあえずそのへんに座っててよ、今からわたしが腕によりをかけて晩ごはんつくっちゃうから!」フンス!
7:けいおんSS[sage saga]
2016/11/10(木) 22:35:31.55 ID:E325IWUR0
皮を分厚く切りすぎたせいで、ずいぶんと小さくなったジャガイモが、口の中でほろりと溶けた。
唯「あずにゃんおいしいね〜♪」モグモグ
梓「そうですね、とりあえず失敗しなくてよかったですね」
8:けいおんSS[sage saga]
2016/11/10(木) 22:38:39.54 ID:E325IWUR0
…。
両手を合わせた格好のまま、唯先輩が動かない。
少し伏せるようにして目を瞑るその姿はまるで、祈りをささげているみたい。
9:けいおんSS[sage saga]
2016/11/10(木) 22:39:06.03 ID:E325IWUR0
唯「…………」フスーフスー
梓「…………」
唯「…………」フスーフスー
10:けいおんSS[sage saga]
2016/11/10(木) 22:40:32.79 ID:E325IWUR0
梓「じゃあなんなんですか。ちゃんと言ってくださいよ」
唯「ご、ごめん…なんだか喉がすっごくカラカラで声が出なくなっちゃって…」
梓「お水飲んだらいいじゃないですか。目の前にあるでしょう」
11:けいおんSS[sage saga]
2016/11/10(木) 22:41:11.78 ID:E325IWUR0
唯「ふぅ…」コトン
梓「…で、どうかしたんですか?」
唯「…う、うん」
12:けいおんSS[sage saga]
2016/11/10(木) 22:42:01.96 ID:E325IWUR0
唯「なんでぇ? どうしてダメなの? 合宿のときとか一緒に入ってたじゃん! ねぇあずにゃぁん…」ユサユサ
梓「それとこれとは別、っていうか…やめてください今食器持ってるんで危ないです揺らさないでください」
唯「クスン…ようやく勇気出して口にしたのに……」
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