過去ログ - 【ペルソナ5】死がふたりを分かつまで【佐倉双葉SS】
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名無しNIPPER
[saga]
2016/11/11(金) 21:56:02.37 ID:YOv8t40L0
重く冷たい塊を吐き出したかのような声だった。
口にしてから、暁は視線をカップへと移す。
気まずさからではない。
言葉にした途端、それは急速に現実味を帯び始めたからだった。
時間が止まったようなルブランの中で、目を逸らしてきた現実が目と鼻の先に来ていることに、今更に愕然とする。
俯いた暁を前に惣治郎もまた目を見開いていた。
しかし、経験から彼は瞬時に察したように「そうか」とだけ口にする。
苦いモノを呑み込むように目を閉じると、深く細く息を吐く。
「あいつらの為か」
暫しの沈黙の後、暁は小さく頷いた。
「あいつらは…双葉は知ってるのか?」
今度は何も答えなかった。
「お前のことだ、考えに考えてのことだろう。お前が納得した答えなら俺にはとやかく言うことは出来ねぇよ。けどな…」
沈鬱な暁の表情が何よりも雄弁に語っていた。
「双葉、きっと泣くぞ」
静かな口調に、暁は唇を噛み締めた。
泣かせてしまう罪悪感が胸にこみ上げる。
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