過去ログ - 【ペルソナ5】死がふたりを分かつまで【佐倉双葉SS】
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20:名無しNIPPER[saga]
2016/11/11(金) 22:01:09.62 ID:YOv8t40L0

熱いものが不意に頬を伝った。
カップの中にぽつり、ぽつりと落ちて行く。


「……怖いです」


からんと、言葉が漏れた。


「出頭なんてしたくない」


言葉にすると目を背けていた不安や恐怖が堰を切ったように溢れてくる。

最後に泣いたのはいつの頃だったか最早思い出せない程遠い過去のことだ。

獅童に嵌められ、助けた女に裏切られ、両親から見放され、周囲に白眼視された時も、暁は決して涙を流すことはなかった。

何年間もの時を掛けて溜めこんでいた涙が出口を見つけたように、溢れて止まらなかった。


「少年院に入ることも、レッテルを張られることでもない。また居場所を失くすことが……

みんなと離れることが…怖くて、怖くて、逃げ出したいです」


「馬鹿野郎…最初っからそう言って弱音吐いときゃ良かったんだよ」



撫でる手を止めずに、惣治郎は不器用な息子を見るような優しい眼差しを向けていた。





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