過去ログ - 【ガルパン】かくして、私は逸見エリカの肩の上に収まった
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7:名無しNIPPER[saga]
2016/11/21(月) 23:30:03.24 ID:20H76wQV0
黒森峰のティーガーUからひらりと飛び降りたところの黒森峰の副隊長と目が合った。

その奥で、大洗のポルシェティーガーの4人組は、モーターが火を噴いてしまった愛機のメンテナンスをしている。

「あら、エリカじゃない」
以下略



8:名無しNIPPER[saga]
2016/11/21(月) 23:32:20.69 ID:20H76wQV0
逸見エリカ、黒森峰の副隊長。
西住まほの忠実な副官にして彼女もまた西住流の信奉者。
言ってしまえば忠犬。……それは言い過ぎかしら。

「あなた、さっき『スリップストリーム』が何か分かってなかったでしょ」
以下略



9:名無しNIPPER[saga]
2016/11/21(月) 23:34:03.20 ID:20H76wQV0
「いまは!関係ないでしょう!! まほ隊長と、それから……みほに勝利が懸かってるんですから! 応援しましょう!」

エリカは頬を赤く染めている。なんだ、こんな可愛い顔もできたんじゃない。

「まあ、エリカの言うとおりね。応援に集中すべきだわ」
以下略



10:名無しNIPPER[saga]
2016/11/21(月) 23:37:24.09 ID:20H76wQV0
フラッグ戦にしろ、殲滅戦にしろ、戦車道の試合で撃破された後というのは当然暇になる。
高校生の公式試合は普通フラッグ戦で行うから、隊長である私がこうして撃破されて暇になるなんてのは随分と久しぶりの感覚だった。
それだけに、最後まで戦いきれなかったという感情がどうしても付きまとう。

「できれば、最後まで戦っていたかったわ」
以下略



11:名無しNIPPER[saga]
2016/11/21(月) 23:41:26.72 ID:20H76wQV0
「さっき高地を登るときだって、まるでおあずけを食らった飼い犬みたいだったわ」

「なっ……! ……それなら、あの時のあなたなんか『203高地ね!』だなんて、ソ連だのロシアだのがそれ言っちゃ死亡フラグなんですよ。ほら案の定こうなったじゃないですか」

「あ、案の定とは何よ! プラウダは最善を尽くしたわ!」
以下略



12:名無しNIPPER[saga]
2016/11/21(月) 23:44:27.51 ID:20H76wQV0
しばらく私達の間に、昼過ぎの緩んだ風が流れる。
次に口を開いたのも私だった。

「……ねえ、『信じるのと崇拝するのは違う』って、高地の麓でまほが言ったこと覚えてる?」

以下略



13:名無しNIPPER[saga]
2016/11/21(月) 23:47:55.27 ID:20H76wQV0
「プラウダは、みんな私を庇って倒された。優秀なチームメイトがみんな私のT-34を逃がすためにあそこでやられた。

 クラーラは状況の判断に優れてて作戦理解度も高い。ニーナやアリーナ達はまだ一年生なのに、KV-2という取り回しの難しい戦車を上手いこと使ってるわ。

 それに……ノンナ。
以下略



14:名無しNIPPER[saga]
2016/11/21(月) 23:51:26.26 ID:20H76wQV0
ここでエリカはようやく私の方を向いた。

厳密に言えば、私の方へと「視線を下げた」。

「なにか、気になることでも、あるんですか」
以下略



15:名無しNIPPER[saga]
2016/11/21(月) 23:54:19.29 ID:20H76wQV0
「え?」 彼女はいまいち質問の意味を測りかねているようだった。

「私の周りにはたくさんの優秀な人がいた。その人達はみんなあの雨の中で去っていった。
 
 それは全て私の車両を守るため。
以下略



16:名無しNIPPER[saga]
2016/11/21(月) 23:59:34.92 ID:20H76wQV0
「ノンナは私のことを『この戦いに必要な人』と言った。でもそれってノンナが私のことを崇拝していたからじゃないかって。

 私が、プラウダに強権をしく小さな暴君だったからじゃないかって。

 そう考えたらどうしても、震えが止まらなくなっちゃった。
以下略



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