過去ログ - 八幡「俺が仮面ライダーに……?」
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60:くすっち[saga]
2016/12/13(火) 01:50:43.69 ID:+Ao3fZud0
「ねぇ、あなたたちは知らないと思うけど、ヒッキーはね、とってもすごい人なんだよ。自

分が傷ついても、人を救っちゃうような、そんな人。普段はそっけない態度をとって、周り

に興味なさそうにしてても、一度も会ったことないような人を、命をかけて守ってくれるよ

うな、そんな人」

違う。俺は、お前らにかばってもらえるような、そんな立派な奴じゃないんだよ。

ん……?命をかけて守る?そんなこと、後にも先にも一度だけだ。でも、それをこいつが知

ってるわけないし……。

まぁ、今はそんなのは些細なことか。

「なんなのよあんたたち!突然現れて好き勝手言っちゃってさぁ!」

折本が激昂する。

そして、ポケットからカードを取り出す。

蟹の、カード。

人を襲わせてたライダーは、こいつだったのか。

窓から蟹のモンスターが出現する。

由比ヶ浜に襲いかかるのを、ダークウイングが止める。

「なんだ、ほんとに……。かおり、お前も、化け物なのか?」

永山はそう言い残すと、そそくさとその場を去って行った。残りの二人も同様だ。

「……あんたらのせいで、全部台無しじゃないっっ!」

「それは、あなたの自業自得でしょう」

「うるさいうるさい!あんたは、私が倒す!」

デッキを、かざす。

「変身!」

「……いいわ、消してあげる。変身!」

二人が、鏡の世界へと向かう。

折本に誤算があったとすれば、この場にいたライダーが、雪ノ下一人ではないということだ

ろう。

「ヒッキー、少しだけ、待っててね。……変身!」

俺にやさしく微笑みかけて、由比ヶ浜も変身する。

俺は一人、取り残された。

「……。はぁ」

しばらく俺は、茫然とし、なんとなくぼうっと鏡の中を見ていた。

折本は、雪ノ下一人にも押されていたが、由比ヶ浜が加勢してからは、もうまともな勝負になっていなかった。

「ああああっっ!」

二人とも、折本の叫びを聞いても、攻撃の手を緩めることはなかった。

それだけ怒っていたのだろう。

そうしたのが俺のせいだと思うと、何とも言えない気分になる。

どうして彼女たちは、出会ったばかりの俺の為にここまでしてくれるのだろう。

きっと、どうしようもなく優しいんだろう。

折本が中学時代に俺にした偽りの、計算された汚い優しさではなく、本物の優しさ。

ならば……、だからこそ、彼女たちの手を汚させてはいけないだろう。

「……変身!!!」

過去と決別する時が、きっと今なんだ。



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