過去ログ - 楓「雨宿りも兼ねて、一杯、ご一緒しませんか?」
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5: ◆.A/MbZOSXM[saga]
2016/11/26(土) 18:52:42.90 ID:dv2729Yw0

言い終わり、彼はすっと視線を前に戻す。
その目線は、同じ前を向いているのでも、最初の挨拶の時とは意味するところが違うように見えた。
きっと数瞬の後、彼は「では、私はこれで」と言い残して去っていってしまう。
確定しているわけでもないのに、私はその予感になぜだか少し焦れた。
――言ってしまえば、引き止めたかったのだ。

P「……では、私はこれで」

楓「あっ」

そしてその予感は、やはり的中していて。
続く言葉が何も浮かばないまま、自分で言うのもなんだがだいぶ情けない声が漏れる。

P「……? どうかしましたか」

楓「えと、あの……」

P「…………」

楓「じ、実は」

P「はい」

楓「……傘、忘れてしまいまして」


引き止めたのだから何か言わなければ、と焦って思わず口をついたのは、どうしようもなくしょうもない嘘、だった。



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