過去ログ - 小梅「ありがとうを物語にのせて」
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8: ◆REViNqJsY2
2016/11/27(日) 15:13:52.77 ID:Uojde39To
「……ご、ごめん、なさい……」

 気づけば、呟きが漏れていた。きらりさんが首を傾げるのが気配でわかる。私が喋る度に、小さく動きが止まるのも。その原因は、きっと私。ぽろぽろと取り留めもなく、涙みたいに言葉がこぼれ出していく。振り続ける雨の音が、身体を打ち付けるように響いていく。

「その、私……きらりさんのこと怖がらせちゃって、怖いお話、いっぱいして……きらりさんの気持ち、考えないで……」

 謝りながら自分が嫌になる。思い出されるのは、昔の光景。私が楽しく話している内に、みんなの顔がひきつっていく。段々話す相手がいなくなって、気づけばあの子やお母さん以外とは話さなくなっていった。アイドルになる手前の話。もしきらりさんともそんな関係になっちゃったら。そう思うと悲しくてたまらなくなって、視界がぼんやりと滲み始める。みるみる内に滲みが増して、あともう少しで、というその時。

「えいっ」


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