過去ログ - フレデリカの真冬のダンス
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5: ◆U7CecbhO/.[saga]
2016/11/30(水) 18:44:54.77 ID:7FZgc2Oz0
 金曜日の夜に降りだした雪は、そのまま翌朝まで続いた。

 寒さに目を覚ましたぼくは、カーテンを開けて驚いた。暗い曇り空はどこまでも広がっているのに、辺りは一面の雪化粧。黒と白のコントラストに染められた景色は、どことなく神秘的で、そして退廃的だった。

 時計を確認すると休日の朝にしては早起きな時刻。損をした気分になる。もう一度寝直そうか。なんて布団に入ったとき、枕元のスマートフォンが振動した。
以下略



6: ◆U7CecbhO/.[saga]
2016/11/30(水) 18:46:34.70 ID:7FZgc2Oz0
「白いもん。寒くて当然だよ」

「白は秋だよ、白秋。冬は黒、玄冬」

「えー、黒い雪はヤダなぁ」
以下略



7: ◆U7CecbhO/.[saga]
2016/11/30(水) 18:47:51.87 ID:7FZgc2Oz0
「二百年ぐらい遅いかな」

「でもでも、甘くなって美味しいかもよ?」

「食べたらなくなっちゃうよ」
以下略



8: ◆U7CecbhO/.[saga]
2016/11/30(水) 18:48:59.78 ID:7FZgc2Oz0
 引き止めるべきだ。きっとアイドルになってしまったら、いまみたいには一緒にいられない。でも、引き止める理由はいくら探しても見つからなくて。恋愛感情があるわけでもない。とっくに答はでている。いまぼくがフレデリカの横顔に目を奪われている事実は、彼女がアイドルに向いている証拠だから。

 ぼくは視線を白い街に向ける。

「大丈夫だよ。お前は適当だけど、適当なだけじゃないんだ。それに、ぼくはお前の笑顔に救われてきた。たぶん、フレデリカの笑顔にはそういう魔法があるんだよ」
以下略



9: ◆U7CecbhO/.[saga]
2016/11/30(水) 18:50:31.30 ID:7FZgc2Oz0
 フレデリカと最後に会ってから一年が経った。

 それでもフレデリカの顔は簡単に見ることができる。テレビ、雑誌、ネット上に。ちょっと調べれば簡単に探すことができるほど、彼女は知名度を上げて、そしていまもなお活躍している。

 だけど、僕はなにも変わらなくて。むしろフレデリカのいなくなった日常はいっそう物寂しい気がして、誤魔化すように色々と挑戦してみたけれど、寂しさを誤魔化す雰囲気がより寂しい気がして、結局すべてやめてしまった。
以下略



10: ◆U7CecbhO/.[saga]
2016/11/30(水) 18:50:57.81 ID:7FZgc2Oz0
終わり。


11:名無しNIPPER[sage]
2016/11/30(水) 20:07:10.16 ID:fTn9juDPo
しゅごいみつど


12:名無しNIPPER[sage]
2016/12/01(木) 15:33:23.61 ID:aZ25kTMQ0
フレちゃん天使 
おっつおっつ


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