10:名無しNIPPER[saga]
2016/12/02(金) 23:30:15.33 ID:SUVwnHv40
「……うん、美味しい」
少女「よかった」
「すっかり慣れちゃったみたいね、ここの仕事」
少女「ええ、なんとか」
「入りたての頃はあんなにあたふたしていたのに」
少女「う。 思い出さないでください……」
「ふふ……」
優雅に笑って、カップに口をつけるお客さん。
この人は、不動産会社の社長さんをやっていると聞いた。
社長「あたふたしてた少女ちゃん、可愛かったわ」
少女「す、素直に喜べないんですけど……」
社長「もちろん、今も可愛いわよ?」
少女「そ、それは……どうも……」
目を細めて、お客さんがわたしを見る。
……わたしは、このお客さんがちょっぴり苦手だったりする。
態度が悪いとかマナーが悪いとか、そういうのは全く無い、本当にいいひとなんだけど。
だけど……なんだか、わたしを見る目が店員を見る目とは違うような気がする。
なんとなく……熱がこもってるというか……。
その目が、わたしはなんとなく苦手で……。
社長「……可愛い」
少女「あ、あはは……」
蛇に睨まれた蛙……という表現は大袈裟かもだけど。
この目で見られると、わたしはその言葉通り動けなくなってしまう。
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