過去ログ - 卯月「…ここ…どこ…?」
1- 20
69: ◆GWARj2QOL2[saga]
2016/12/12(月) 21:29:26.64 ID:lzTNMFTYO
『…!!』
『…!!』
『…!!』

黒装束達が、一斉に鎌を振りかぶる。

今度は避けられないよう、横一線ではない。

三者三様、違う方向に。

その周到さに、前に戦ったあのムカデ達とはレベルが違うのだと、確信する。

卯月は、どうだろうか。

どんな顔を、しているのだろうか。

彼女だけでも、何とか助けなければならない。

だが、良い方法が思いつかない。

思わず目を瞑り、頭の中で助けを呼ぶ。

誰にも届くことは、ないだろうが。

しかし、その時だった。

「……?」

黒装束達から、攻撃が来ない。

「…?」

おそるおそる目を開ける。

「…え?」

思わず目を疑った。

「…し、しまむー?」

隣にいた、守るべきはずの存在。

その彼女は青い光に包まれ、再びあの鎧に身を包んでいた。

「…な、何で…?」

光を失った瞳は、ただただ敵を見据えている。

「…」

彼女は何も喋ることはなく、その大剣を逆手に持ち、未央の前に立つ。

その表情は何を語っているのか。

その背中は何を訴えかけているのか。

未央にさえも、それは分からない。

「し、しまむー!私も戦うから!だから…」

必死に訴えかけるが、彼女はこちらを振り向くことはない。

ただ、敵との距離を測っている。

今の自分は足手まといだと言わんばかりに、だ。

「…お願い…」

もし、卯月が自己犠牲の下で戦いを選んだのなら。

彼女が、自分と同じ考えで再び覚醒したのなら。

「…やめて…」

間違いない。

彼女は、何のためらいもなく、自分の死を選んだということだ。

「駄目!!しまむー!!」


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
214Res/201.37 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice