50: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2016/12/08(木) 21:57:03.23 ID:LNih3IB00
そして日が暮れ、さらに夜が明けるまで、ノックの音は計3回だった。
俺はノックの音を耳にすると、すぐさま立ち上がり、幸子へ「どくぞ」と声をかけてから隣室へと移った。
ドアの開閉音がして、しばらくし、二度目の開閉音を耳にした後に、幸子の部屋の前へと戻る。
それを3回繰り返した。
ノックがあったということは、幸子は俺の話を聞いていたということだ。
それ自体には嬉しさを覚えた。
ノックとは別に、幸子の母親が一度、夕食を持ってやってきた。
その時も俺は隣室へと避難していた。
当たり前ではあるが、俺の分の夕食はなかった。
幸子が俺の存在を忘れ去らないよう、定期的に幸子へ声はかけるようにしていた。
もちろん夜間帯は避けた。
しかし、いまだ幸子からの返事は一度も得られていない。
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