40: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2016/12/08(木) 21:28:21.09 ID:LNih3IB00
ありがとうございます。元気出ます。
戻りましたので、再開します。
41: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2016/12/08(木) 21:30:56.05 ID:LNih3IB00
この世界のプロデューサーは、幸子を芸人アイドルとして売り出すことを決めた。
芸人アイドル。そのこと自体に間違いはなかった。
幸子のバラエティ向きな性格は、数多のテレビ番組に重宝された。
42: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2016/12/08(木) 21:32:33.54 ID:LNih3IB00
まず、幸子は、ネット上での自分の悪評を目の当たりにしてしまった。
『アイドル輿水幸子と一般的な芸人との比較図』
『もはやアイドルではないよなw』
『実際、そこらの女芸人の方が可愛い』
43: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2016/12/08(木) 21:34:39.20 ID:LNih3IB00
次に幸子は、通っている中学でいじめに遭った。
原因は、幸子の芸人アイドルとしての活躍。
世間が幸子を『いじっても良い存在、無茶をさせても良い存在』と認識している。
そんな幸子を、身近なクラスメイトは放っておけるはずがない。
44: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2016/12/08(木) 21:38:53.14 ID:LNih3IB00
ここまでの事態の把握に、どうやらプロデューサーは一週間を要したらしい。
幸子の両親や事務所の面々に話を聞き、どうにか得られた情報だ。
それからプロデューサーは幸子の通う中学で担任の教師と面談をし、幸子の自宅で面会を断られ、やけ酒へと至ったのだった。
45: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2016/12/08(木) 21:45:34.00 ID:LNih3IB00
まず俺は、幸子の通う中学へ殴り込みをかけた。
いや、殴り込みといっても腕力に頼ったわけではない。大人の俺は、舌戦だ。
担任教師との面談を取り付け、いじめを見過ごした事実を糾弾し、諭し、少しばかり脅してやり、味方につけた。
46: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2016/12/08(木) 21:48:20.03 ID:LNih3IB00
なんとかこれで、幸子の帰る場所は確保できただろう。
幸子が再び登校を始めても、同じ結果を辿りはしない。
問題は、折れた幸子の心を治す方だ。
47: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2016/12/08(木) 21:50:00.85 ID:LNih3IB00
「俺に、幸子と話をさせてください」
「昨日も言いましたでしょう。幸子本人が拒んでいます。私からは許可を出せません」
「なるほど、幸子から許可をもらえば良いわけですね」
48: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2016/12/08(木) 21:51:24.48 ID:LNih3IB00
俺は階段を上がり、『さちこの部屋』と木製のボードの提げられたドアの前に立つ。
深呼吸。息を整えて、口を開く。
「幸子、俺だ。無理矢理連れ戻しに来たわけじゃない。まずは、お前と話をしにきた」
49: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2016/12/08(木) 21:53:28.04 ID:LNih3IB00
眠ってしまっているのかもしれない。
そんな不安を振り払い、言葉を続ける。
まだ夕方だぞ。起きているに決まっている。きっと、聞いてくれているはずだ。
「だから、お前が心配するようなことは何もない。再開するのはすぐじゃなくて良い。気持ちが落ち着いてからで良い。ただ、話だけでも、返事だけでもしてくれないだろうか」
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