2:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/08(木) 00:04:16.49 ID:aKR8yUbx0
僕は今、悩んでいます。
担当アイドルである十時愛梨さんとの距離感です。
冬の寒さが厳しく、人肌恋しくなる季節だからでしょうか。
撮影現場で、ライブ後の舞台裏で、仕事の帰り道で。
3:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/08(木) 00:05:11.98 ID:aKR8yUbx0
事ある度に、物理的に、精神的に距離を詰めてきます。
今日もそうです。
「プロデューサーさん、おはようございますっ!」
4:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/08(木) 00:05:59.54 ID:aKR8yUbx0
「ファンの方の中には、アイドルとプロデューサーが身体的接触をすることを良く思わない方もいます」
「えー、でも、今ここにはファンの人はいませんよ?」
可愛くふくれっ面をしても、ダメなものはダメです。
5:名無しNIPPER
2016/12/08(木) 00:07:01.42 ID:aKR8yUbx0
とはいえ、愛梨さんのモチベーションを下げるようなことがあっては元も子もありません。
アイドルとの接し方やプロデュースの方向性に明確な正解はなく、それがこの仕事の悩みどころであり面白い部分でもあります。
「僕達はプロなのです。ファンにいつも夢を与える存在でなくてはなりません」
6:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/08(木) 00:07:50.74 ID:aKR8yUbx0
「ファンの方の中には、愛梨さんに恋愛感情を持っている方も少なからずいます。そんな方達にとっては、愛梨さんが全く別の男性を見ていたら、愉快には思わないでしょう」
「うーん……。私には、まだよくわかりません」
そういえば愛梨さんの恋愛遍歴を聞いたことがありませんでした。
7:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/08(木) 00:08:39.89 ID:aKR8yUbx0
愛梨さんは自身を抜けていて、どんくさいと評しています。
それでも、僕と仕事をするのは楽しいと、いつも笑顔で言ってくれます。
『私天然だし抜けてるけど、プロデューサーさんがフォローしてくれたら、う、嬉しいです』
8:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/08(木) 00:09:20.89 ID:aKR8yUbx0
「僕も色々言いましたが、不安になることはありません。大丈夫です。愛梨さんはとても素敵で魅力的なアイドルです。僕が保証します」
「はいっ! 私、プロデューサーと一緒に居ればトップアイドルになれるって信じてますっ!」
「でしたら、周りからとやかく言われないよう、愛梨さんと僕がくっつくのは禁止です。いいですね?」
9:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/08(木) 00:10:11.85 ID:aKR8yUbx0
※ ※ ※
そんな話をしている内に他のアイドル達も事務所にやってきました。
敷地面積がやたら広いだけの古びた事務所ですが、アイドルとプロデューサーの数は多く活気があります。
10:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/08(木) 00:11:03.14 ID:aKR8yUbx0
オーディション中に暑いからといきなり脱ぎ始めたのには面食らいましたが、不思議とそこにいやらしさは感じられませんでした。
そんな、良い意味での純粋さも買って合格としました。
今でもあの判断は正解だったと思っています。
事実、総選挙ではしっかり結果を出し、初代シンデレラガールの称号を得ました。
11:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/08(木) 00:11:41.96 ID:aKR8yUbx0
そこにはちゃんとした理由があります。
愛梨さんとおしゃべりをしているみりあさんを見ているとよくわかります。
ああ、やはり、今日もみりあさんは美しい。
はりつやのある頬、水を弾くようなうなじ、白い肌に浮き出る鎖骨。
12:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/08(木) 00:12:22.47 ID:aKR8yUbx0
「あ! 愛梨ちゃんのプロデューサーさん! おはようございます!」
みりあさんがパタパタとこちらに駆け寄ってきたので、僕も膝を折って、目線の高さを合わせます。
「おはようございます。みりあさん」
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