10: ◆U7CecbhO/.[saga]
2016/12/09(金) 22:51:19.10 ID:81cm0N8d0
「そっか。うん、まあ、わかっていると思うけど、ぼくはありすちゃんを嫌っているとか、そういうことはないから。むしろ好きだよ。気づかなくてごめんね」
確かに三年半年近くを一緒に過ごしてきた相手に苗字呼びされたら距離を感じるのかもしれない。了承を得ていたとしても、続けていけば不安が過るかもしれない。思春期は不安定な時期なのだ。都度確認をしていくべきだった。気持ちが変わってもおかしくはないと、自分の経験からもわかるはずなのに。
つまるところコミュニケーション不足だ。ぼくは大人なのだから、もう少し気にかけるべきだった。
反省は脳内をぐるぐる回る。事故を起こさないように、気持ちいつもよりゆっくり走った。
「好き、ですか……もう一年を切りました。約束、守ってくださいね」
スピードを落とすと、ありすちゃんは唐突にそう言った。思春期の子供の言葉は意味深で難しい。
「約束? なんの話」
「待ってくれるって言ったじゃないですか」
ブライダル撮影のときの会話を想起する。ありすちゃんは頬を赤らめて言った。ぼくはなんと答えたか。思いだそうにもでてこない。
応えに詰まっていると、後部座席からため息が聞こえた。
「いいんです、無理だとわかってますから。年を重ねるにつれて、十六歳はまだまだ子供だと思い知らされました」
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