過去ログ - 小日向美穂「夢色、キラキラ、ダイヤモンドダスト」
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3: ◆WJfkFowgA.[sage]
2016/12/16(金) 00:08:36.23 ID:g4iXPbsKo
 とても寒い朝だった。柔らかな日差しが窓から差し込んでくるけど吐く息は白く、温もりのある毛布から出よう出ようと格闘すること4分少し。
 このまま夢の世界に戻ろうよ、暖かいよーと甘く囁く布団の誘惑を振り切り立ち上がると、枕の隣でコテンと寝転がっているシロクマさんに挨拶をする。

「おはよう、プロデューサーくん」

 去年のクリスマスにファンからもらって以来、私の夢のお供となったこの子に挨拶をするのが日課のようになっていた。
おはよう、行ってきます、ただいま、おやすみなさい。彼がうちに来てから1年近く経った今でも私は当たり前のように続けている。一番親しい人の名前をつけた彼が
いつの日か私の挨拶に反応して喋ってくれたら良いな――。なんてファンタジーなことを少しだけ、ホンの少しだけ期待して。

あっ、でも毒舌タレントさんが声を当てているクマさんとか昔のドラ〇もんやまる〇ゃんみたいな声のクマさんは……ちょっと違うかも。

『本日12月15日の運勢は!?』

 テレビをつけると朝のニュース番組で占いコーナーをやっていた。いて座は6位と可もなく不可もなくな運勢。ラッキーアイテムは分度器らしい。そんなもの、持っていたっけ?
探そうかとも思ったけど、ここ数年見た記憶もないので探しても意味がないだろうな。そもそも分度器がなんの役に立つんだろう?

「……ない、かなぁ」

 分度器を武器に戦う姿を想像してみたけど、格好がつかなかったのでなかったことにする。

『今日の天気です。寒い一日が続き、夜には雪も降る地区もあるでしょう』

「雪、かあ。また見たいなあ……」

 キラキラと輝いていたダイヤモンドダストを見たのはあの日だけで、それ以降熊本で雪が降ってもあれほど綺麗な光景は見たことがなかった。
それも無理はないよね、調べてみると本当に寒くないと出来ないみたいだし。



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