過去ログ - 魔法使い「マスター、ここは何処なの?」
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37: ◆z7cIwVvuXI[saga]
2016/12/22(木) 21:45:15.95 ID:s/PbR9c20
ルーン文字がびっしりと羅列された壁の前に、雪が降っている割には軽い服装をしている二人組がいました。


二人のうち、良質な剣を持っている一人がしゃべります。


勇者「魔法が発展しているとは聞いていたけど、ここまでされると恐怖を感じてしまうな」


それに杖を持っているもう一人が答えます。


魔法使い「ここまで露骨に防御しているとあえて攻撃したくなるね、マスター」


奇妙な壁相手に評価していると、トロールほどの大きさはあるような扉が見えてきました。


門兵「いらっしゃい。ここは魔法の国コオル。新しい魔法を覚えるならもってこいだよ」


ふかふかしたものがはみ出す鎧を着た門兵が話しかけてきます。


勇者「ええ、私たちもそのために来ました」


門兵「見たらわかるよ。君たちが軽装なのはあれだろう? 体を温める魔法を使っているんだろう? 僕も覚えてみようかなあ!」


二言三言話した後、荷物検査をしてから街内に入りました。


門を潜った先では、雪で覆った家がたくさん見えました。中には雪で像を形作っている家もありました。


幻想的な風景が自分を見てくれ、というように人通りはまったくといっていいほどありませんでした。


特に何も考えず道なりを歩いていくと、大きな広場でやっと一人目にあうことができました。


それは綺麗な肌をした、とてもきれいなエルフでした。エルフは基本的に皆美形ですが、その中でも特に麗しげでした。


エルフ「ようこそ旅人さん! ここまで人っ子一人居ず吃驚したでしょう! この街は時間があったら魔法を学ぶような人がたくさんいるのよ」


大げさな身振り手振りを付けくわえながら、そのエルフは喋りました。


勇者「びっくりびっくり、ホビットの洞穴かと思ったら竜の巣だった時ぐらい驚いた!」


勇者は大げさに反応し、エルフを笑わせます。


エルフ「ははっ、さすがにそれにはかなわないよ!」


魔法使い「魔法の勉強ね。そう、私たちも魔法の勉強をしに来たんだけど、
どこかいい魔導書が置いてあるところはないかい?」


エルフ「それには中央図書館がもってこいだ! やってきた旅人は一人違わずそこによるよ!
ここで会ったも何かの縁、僕が案内しよう!」


勇者と魔法使いはエルフに旅してきたことを話しながら図書館を目指します。


エルフ「へえ、面白そうだね。私もこの町から出て旅をしてみたいけど、親が全然聞いてくれないんだ。
そんな暇があったら魔法の研究しろ、世界の不思議を解明するのだってね。
魔法は好きだけど、正直そこまで熱心に研究する気はないのよね」


勇者「へえ、魔法の研究ね。新しい魔法を作ったりしているの?」


エルフ「そんな人もいるけど、それは本当の天才だけよ。
私の親はない才能で何とか火の魔法を解明しようとしているみたい。
焔は何処から出てくるのか、原子はどのように動いているのかってね。
面白そうな課題だけど、生きているうちに達成できそうにないから興味を持てないのよ」


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