過去ログ - 【DQ7】マリベル「アミット漁についていくわ。」【後日談】
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◆N7KRije7Xs
[sage saga]
2016/12/24(土) 11:32:54.97 ID:8lPBK+pa0
ボルカノ「こりゃ すごいな!」
快適な速度で風を切る絨毯の上で乗客が感嘆の声を上げる。
アルス「これなら お昼前には 入口まで つくと思うよ!」
ボルカノ「そうか そうか。それなら 夕方までには 帰ってこれそうだな。」
ボルカノ「どれだけ 向こうに いるかにも よるけどな。」
マリベル「ところで ボルカノおじさま 今回の訪問は あいさつだけが 目的じゃないんでしょう?」
ボルカノ「ええ。漁の時 こっちの港で 停泊する許可や 漁獲量の取り決めなどを。」
ボルカノ「こうして 世界中に 国や町 村が復活した以上 いつまでも こっちの好き勝手に 漁をするわけには いきませんからな。」
マリベル「そう… ですよね。」
アルス「…………………。」
船長の言葉に二人はどこか思いつめたように俯いて黙り込む。
ボルカノ「いえいえ これで 本来あるべき形に 戻っただけですから 二人が 責任を感じる必要は ありませんよ。」
ボルカノ「それに オレや漁師たち だけじゃない 村や国のみんな 二人が 世界を救ったことを 誇りに 思っているんですからな。」
アルス「父さん…。」
マリベル「ボルカノおじさま…。」
ボルカノ「二人には どこへ行っても 胸を張っていて ほしいんです。」
そう言って、かつて世界にたった一つだった島の、国一番の漁師はニカっと笑った。
アルス「…………………。」
アルス「うん。」
マリベル「まかしてください ボルカノおじさま! 網元の娘の 名にかけて きっと 悪くない 交渉をしてみせますわ!」
ボルカノ「わっはっはっ! 頼りに してますよ “マリベルさん”!」
マリベル「ぼ、ボルカノおじさ…。」
*「ぐぅ〜。」
不意に聞こえた大きな音に少女が振り向くと少年がお腹を抱えて目を見開いていた。
ボルカノ「…………………。」
マリベル「…………………。」
アルス「あ アハハハ…。」
二人の視線に気づき、少年は恥ずかしげに自分の腹を見つめて空笑いする。
考えてみれば朝食をとったのは早朝。しかし今、気づけば太陽も地平線からずいぶん離れ、頂との中間辺りに浮かんでいる。
言うなれば丁度“小腹(こばら)がすく”時間だった。
マリベル「……そんなことだろうと 思ったわよ。」
すると少女は待ってましたと言わんばかりに折りたたんだ膝の横に置かれたつづらを開ける。
マリベル「はい これ。」
そう言って少年に手渡したのは一つのサンドウィッチだった。
アルス「えっ!?」
マリベル「急いでたから アンチョビじゃなくて 悪いけど… 今はそれで 我慢してちょうだい。」
アルス「ううんっ すごくうれしいよ! ありがとう。」
そう言うや否や少年は小ぶりなサンドウィッチにかぶりついた。
アルス「……モグモグ……ごくっ。」
アルス「…おいしい。」
マリベル「あったりまえよ! このマリベル様が 作ったんだから当然よ トーゼンっ!」
そんな自信に満ちた態度とは打って変わり、目の前に座る少年の父親に渡すその手はどこかおずおずとしていて緊張した面持ちだったが、
同じように称賛の言葉が返ってくると少女は安堵した様子で小さくため息をつくのだった。
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