過去ログ - 【DQ7】マリベル「アミット漁についていくわ。」【後日談】
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484: ◆N7KRije7Xs[sage saga]
2017/01/07(土) 18:23:44.96 ID:KtF5zPtg0

少女が真相を確かめようとした時、少年は突如体勢を崩して前のめりに倒れこんだ。

アルス「いてて……。」

それはかつて少年が練習に明け暮れていた時によく転んでいたあのステップ。

マリベル「…ふ…ふふふ……!」

少女は確信を得てこみ上げる笑いを堪え切れずに口元を隠す。

アルス「えっ?」

マリベル「あっははは! どうして もっと 早く気づかなかったのかしら!」

そういうと少女は先ほど床に放ったシルクハットを抱えて少年のもとへ戻る。

アルス「ま マリベル……?」

マリベル「はい お忘れ物ですわよ? 仮面の男さん。」

アルス「…………………。」

少年は立ち上がり無言でそれを受け取ると船縁に寄りかかり暗い海を見つめる。

アルス「……どうして わかったの?」

マリベル「ばかね〜 あたしが あんたのくせを 見抜けないとでも 思ったのかしら?」
マリベル「アルスってば 何度も 同じところで 転ぶんだもの。わからないわけがないわ。」

アルス「変装は完璧だと 思ったんだけどなあ。」

背中越しに指さされ、少年はぼんやりと呟く。

マリベル「まったく なんて 怪しい恰好で くるのよ。」

少女は両手を腰に当てて軽く眉を吊り上げている。

マリベル「もうちょっと ましな 恰好なかったの? もっともらしい 理由まで つけちゃって。」
マリベル「おまけに あんなのに ウロウロされちゃ 誰だって 怪しむに決まってるじゃないの。」

アルス「うーん……。」

少年は尚も首をひねっている。

アルス「正体がバレたら 騒ぎになるかと 思ってさ。」

マリベル「…………………。」
マリベル「……はあ…。」

実際はそれが裏目に出たのだと声を大にして言いたい少女だったが、
幸い自分以外に気付いているものはいない様子だったのでそれ以上は追及しないでおくことにした。

アルス「ごめん マリベル。」

その時ようやく少年は振り返り、少女に謝罪の言葉を述べる。

マリベル「別にいいわよ。あんたが あんな 突拍子もないこと するなんて 意外だったけど… 悪くなかったわ。」

少年の真っすぐな瞳から目を逸らして少女は言う。

アルス「ううん。そうじゃないんだ。」

マリベル「えっ?」





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