過去ログ - 花丸「はなまるぴっぴは善い子だけずら」
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11:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/25(日) 22:20:01.65 ID:O8fGFwM8o
 花丸の目には、たしかに善子の顔が映っている。
吊り上がった瞳と高く筋の通った鼻梁を特徴とする端正な顔立ちは、花丸の記憶にある通りだ。
だが、花丸よりも少し長かったはずのセミロングの髪は、項の辺りでカットされていた。
胸の膨らみもなくなり、代わって身体全体の印象がより鋭くなっている。
その身体が何よりも花丸の記憶と違っていた。明らかに背が伸びているのだ。
元より花丸より僅かに高かったが、今や頭一つは高くなっている。

 花丸は幼馴染のあまりの変わりように唖然とするばかりだ。
対象的に、善子は泰然とした構えを見せて揺らがない。

「ようイモ」

 再び善子に声を掛けられて、花丸も我に返った。
耳慣れた声色に間違いないと確信する。眼前の人物は、紛れもなく津島善子だ。

「なっ。善子ちゃんだって田舎者ずら。その前に、まるに言う事があるずら」

 花丸も負けじと言い返し、顔を逸らした。喧嘩していた事を思い出したのだ。

「善子じゃねー」

 ヨハネだ、と続くのだと思っていた。ならば、以前のように手刀をお見舞してやる。
問題は、身長の伸びた善子の頭に自分の手が届くかだけだ。
そう身構えていた花丸の耳に、続く善子の言葉が届いた。

「善男だ」

「ずらっ?」

 意想外の言葉に、花丸は頓狂な声を上げるだけで精一杯だった。
手を振り上げる事すらままならない。



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