過去ログ - 輿水幸子「クリスマスと小箱」
1- 20
3: ◆9CUtNS6CZQ[saga]
2016/12/26(月) 21:38:21.72 ID:nIhBSUOf0
幸子は大事におもっていた。アイドルになってからずっと付き添っていたプロデューサーのことを。過去に、自分の発言からどう思考を捻じったのかスカイダイビングでライブに登場という企画を持ち出したことは多少彼を恨んだが、
どうやら彼なりに幸子のことを思っての企画であるということを知り、やはり彼は彼だなと思ったことがあった。

自分の中の彼への感情が唯の信頼なのか、それともアイドルとして禁忌であるとされる恋愛感情なのかと葛藤する日もあったが、それでも彼女は彼に心を許しているのは間違いなかった。
そんなプロデューサーのために、今年の彼女はあまり奇をてらわず、素直に小箱を用意してプレゼントを贈るつもりだった、のだが。

「もうそろそろイブさんと一緒に帰ってくるはずなんですが」


文字がびっしりと埋まったホワイトボードを見やる。今日の彼はイブと聖の方に付き添っており、彼女のクリスマスライブが終われば戻ってくるはずだった。

それが帰社予定の時間の一時間を過ぎても戻ってくる様子がない。何があったか心配になったが、千川ちひろ曰く「少し遅れているだけ」とのことだった。
彼女のプロデューサーは幸子をいじるようなことがあっても仕事に対しルーズな面は決してなかったので、その言葉を信じておとなしく待つことにした。


それから2時間後。未だプロデューサーの姿は事務所になかった。日は完全に落ち、いくつもの星が窓の外に輝いていた。
もう9時もまわろうとしていたところ、ちひろには寮への帰宅を促されたが、プロデューサーを待つと決めた彼女の意志は固かった。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
13Res/10.81 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice