47:名無しNIPPER[saga]
2016/12/31(土) 01:30:13.68 ID:h5KPozQD0
さて、私は先ほど、彼女は台の上に腰掛けている、と言った。この木製の台は、神父が布教をするときなどに用いる物である。その上に腰掛けるというのは、当然罰当たりであるが、この少女は堪えた様子もない。
では、この少女はなぜ、ここにいるのだろうか?誰もいないうちに、台に乗ろうと思っていたのだろうか?
当然、違う。彼女は人を待っていた。
「・・・遅いのう(Es ist langsam.)」
彼女の口から、言葉が零れる。よく女性の声を褒めるのに、“鈴を転がしたよう”とよく言うが、まさに彼女の声はその例えに相応しい声であった。
美しく、若々しさを感じさせると共に、熟練の歌手が歌い上げた歌のような響きを持っていた。
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